神様がくれた1週間<2日目> ・・・'18.9.2のこと。
↓前回です。手術の次の日なのに、ひよりは苦しそうな様子も無く穏やかにくつろいで過ごしてくれました。
久しぶりのうんち
手術から2日、朝起きるとひよりはクローゼットのタンスの上で丸くなって寝ていた。50~60センチほどの高さのタンスの上に、いつも通り上ることが出来たんだ と嬉しくなる。
ひよりが ちゃんと呼吸をしてスヤスヤと眠っている。今日も生きていてくれたことに感謝。朝から 夫と2人、布団の上でしばらく泣いてから なんとか涙を止めて起床する。
夜中のうちにうんちが出ていた。バリウムではなくて柔らかいコゲ茶色のうんち。うんちが出たことがこんなに嬉しいことはない。腸はまだふさがってないよね。バリウムだって通ったんだし、うんちと一緒に早くバリウムも出さないとね。
その後も、12時頃と14時頃に 水下痢のようなうんち。バリウムは出ていない様子。水下痢ってことはお腹痛いよね・・・。なんとかしてあげたい。バリウムを出し切るまでは下痢なんだろうか・・・。
私自身、健康診断でバリウムを飲んだ時、(キタナイ話ですが)それを出すのにとても苦労した。その時と同じ思いを 今ひよりがしているかと思うと心配で、不憫でたまらない・・・。
ひよりの声
少しの間、買い物に出かけて帰ってみると、ひよりはリビングにいて出迎えてくれた。体調を崩してから初めてのこと。
体調は悪くなさそうなのでブラシに誘ってみると、"ころん"をしてお腹を出してくれた。お腹の傷が痛々しい。今日いっぱい痛みを我慢できれば、あとは良くなっていくはず。早く痛みがなくなるといいね。
ひよりとお話ししながらゆっくりブラシをする。とても気持ちよさそう。元気だった頃みたいに、ブラシをカジカジ噛み始める。ころんころん と転がりながら、私を見て「にゃー」と鳴いた。
ここ1か月は、こんな元気そうなひよりを見ていなかった。「にゃー」と鳴く声も聞いていなかった。ひよりの声が聞けて嬉しい!ひより、痛みは無いの?くつろいでくれてるの?私に何か言ってくれたんだね。私はバカだから ひよりの言葉が分からないんだよ。『気持いいよ』って言ってくれたのかな?それとも『しつこいな。もういいよ。』かな?ひよりの言葉が分かるように、もっと勉強しなくちゃいけないね。
ひよりの「にゃー」が本当に嬉しくてビックリして「あはは」と笑っているのに涙が出た。
血便
20時頃、またうんち。相変わらず下痢をしている。血も混じっている。腫瘍から出血したのかな・・・。ひよりは元気に見えても これが現実・・・。
ひよりは おしりが気になるようで、床におしりを付けてズルズル前進し、おしりを床にこすり付けるような仕草をする。おしりをケガしてしまうんじゃないかと心配。
夫と2人で床を掃除しならがら、これから下血や吐血なんかもあるんだろうかと話し、不安になる。それ以降、何も話せなくなって黙って夫と床を拭いた。
ひよりは今夜もクローゼットで眠るようだ。
「おやすみ、また明日ね。」とあいさつして私たちも眠りについた。
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【後記】
夫はこれまで、泣いた顔を見せることがほとんどありませんでした。夫の母が亡くなった時に一度だけ涙を流したのは見ましたが、こんなに号泣する夫は初めてでした。悲しい映画を見ても涙ひとつ流さない夫に 私は、「もしかして冷たい人なのか?」という疑惑を持った事もありましたが、ひよりの事で こんなに号泣していたのを見て、この人にもちゃんと心があったんだと安心しました。その反面、夫が号泣すればするほど、ひよりとのお別れは現実なんだと実感することにもなり、複雑な思いになりました。
この日の日記は「うんち」のことばかりが書いてあり、人様に読ませて良いものかと迷いましたが、結局ありのままを書くことにしました。不快な思いをさせてしまっていたら本当にすみません。。。
日記には書いてありませんでしたが、この日の私は下痢をしているひよりを見て、ひよりが最後に口にしたものがバリウムになってしまったことを悔やみ倒していました。泣きながら何度もひよりに謝っていたのを思い出すと胸がきゅーっとなるのですが、この後ひよりの気遣いにより、私は救われることになります。
(’19.1.5)