こころの穴は ねこのかたち。

~愛猫ひよりの病気のはなし。そして・・・ひよりのいない”今”を綴っています。~

神様がくれた1週間<7日目> ・・・’18.9.7のこと。

 ↓前回です。ひよりは大好物のスイカをおいしそうに食べてくれました。

chatorajirushi.hatenablog.com

 

爪研ぎの音

早朝、うっすら目が覚めてひよりのことをぼんやり考えていると、リビングの方から爪とぎをする音が聞こえる。

ああ、今日も爪を研ぐ力があるんだ、と安心する。

爪を研ぎたい気持ちがあることが嬉しくて鼻の奥がつーんと痛くなる。

ひよりは爪研ぎが終わるとすぐに寝室へ戻ってきた。

「ひよちゃん」と声をかけると、しっぽをピンと立ててくれた。でも一度もこちらを見ずにクローゼットの中へ。眠りたいんだね。

 

おはようの挨拶

起床時間になり、クローゼットのひよりに「おはよう」と挨拶すると、喉をゴロゴロ鳴らしてくれた。ひよりの『おはよう』の挨拶だ。

「ゆっくり眠ったらリビングに来てね。」と声をかけて朝の支度をしにキッチンへ。

夜のうちにおしっこが出ていた。おしっこシートをよく見ると、ストルバイト結晶のキラキラが見えるような気がした。やっぱり膀胱炎は治ってないのかな。。。

うんちは出ていない。そろそろ出てくれるといいんだけど。

 

“ころん”をする至福の時

 16:00頃、ようやくひよりがクローゼットから出てくる。

今日は心配になるくらいよく寝ていた。

少しヨロヨロと歩いているように見える。トイレかなと思ったが、まっすぐソファのところに。

私は急いでソファに座り、膝にさそったが乗ってくる気配はない。自力で飛び乗る力が無いのかな・・・?

ソファの下で横になるので、その場でブラシをした。ブラシは気持ちがいいようで、ひよりは”ころん”をしてお腹を見せてくれた。

どんどん痩せてきているのが分かる。「その時」が近づいているようで怖くなる。

ブラシの後は、私もひよりの隣に”ころん”をして、ひよりと一緒にゆっくりと時間を過ごした。

そばにひよりがいる大切な時間。この時間は残り少ないんだろうか。

砂時計の砂がどんどん落ちていくような感覚に襲われて、焦るような気持ちになる。 

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9/7 幸せなブラシの時間

 

先生に聞くこと

開腹手術から今日で1週間。先生から病理検査の結果はまだ来ない。

結果の連絡が来たら、先生に聞いておきたい事がある。今のうちに質問事項をまとめておこう。

①がんの種類が分かった上で、余命はどれくらいと考えればいいか。

②これからどういう症状が出るか。考えられる症状を全て知りたい。

吐血、下血、けいれん・・・など。

③痛みで辛そうな時、病院に連れて行かずに私が出来ることは何があるか。

でも、本当に知りたいのは『ひよりがこれからどういう経過をたどって、いつお別れが来るのか』・・・。でも、症状はそれぞれで先生に聞いてもはっきりした回答はもらえない事も理解している…。

 

かわいい出来事

23:00頃、ひよりがクローゼットから出てくる。嬉しくて思わず抱き上げてしまう。そのままソファへ。しばらくヒザでくつろいでくれる。

昨日よりずいぶん痩せたように見える。今日はウェットフードをしぼったスープを一口しか飲んでいない。

目の焦点も合っていないような気が・・・。

不安な気持ちがこみ上げてきたところで・・・夫が大きなオナラをした。

!!!

ビックリして ひよりと私が同時に顔を上げる。ひよりと私、同時にビックリしたこと、そして同時に顔をあげた事が 可笑しくて可愛くて …夫と笑ってしまう。

ひよりも一緒に微笑んでいるようで、空気が柔らかくなった。

ひよりはヒザを降りてソファテーブルの下に落ち着く。今夜はここで寝るんだね。

痩せた体を横たえて目を閉じるひよりに「おやすみ、また明日ね」と ちゅーをした。

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【後記】

開腹手術からこの日で7日がたちました。ちょうど1週間です。病理検査の結果はまだ出ていません。

「神様がくれた1週間」というタイトルが7回続きましたが、穏やかな1週間はこの日で終わりです。翌日からひよりは体調を一気に崩していきます。本当にタイトルの通り、1週間だけという期限付きで神様が用意してくれたかのような奇跡の1週間でした。

(’19.2.14)