こころの穴は ねこのかたち。

~愛猫ひよりの病気のはなし。そして・・・ひよりのいない”今”を綴っています。~

自宅での輸液を決意 ・・・’18.9.12のこと。

 ↓前回です。ひよりは洗濯機の中で就寝しました。
chatorajirushi.hatenablog.com

 

洗濯機の中でおはよう

起きてみると、ひよりは昨夜と同じように洗濯機の中にいた。

「おはよう、ひよちゃん。」

声を掛けると、洗濯機の中で私を見上げる。落ち着いている様子。ゆうべ静かに眠れたのかな。洗濯機のまわりに水を準備して寝たけれど、夜の間に水を飲んだ様子はない。

自分で出ようとするのをしばらく待ってみたが・・・出てこない。そろそろ水を飲んで欲しかったので、洗濯機から出して抱っこで洗面台に乗せた。

昨日ここで水を飲んでくれたから期待して水を出してみたが、舌を出してペロペロする仕草だけで実際に飲むことは無かった。舌を出すということは、飲みたいのに飲めないということなのか。。。

 

久しぶりの・・・!

ひよりのトイレをチェック。

夜のうちにうんちが出ている!(...ということはいったん洗濯機を出てトイレを済ませてまた洗濯機に入ったんだ。洗濯機、気に入ったんだね。)

久しぶりのうんちにビックリする!小指ほどの大きさで、溶けたチョコレートみたいに柔らかい。うんちが出るということは、腸はまだ塞がっていない??腸が塞がらないうちは、栄養さえ摂れれば体力を付けられるんじゃないかな?少し期待してしまう。。。 

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ベランダで靴の上に乗っかって くつろぐひより。

自宅での輸液を決意

ひよりがリビングで嘔吐。体調は昨日と変わらない。ステロイドを飲んでも劇的に体調が良くなるわけではないし、期待した副作用の「多飲」も見られない。これはもう輸液をするしかないのかな。

昨日、動物病院の主治医の先生がお休みだったので、輸液については聞くことが出来なかった。今日はいらっしゃるとのことなので、早速電話してみた。

先生は、開口一番「輸液でしょ。家で出来るよ。」と、いつものように前置きもなくおっしゃった。昨日の女性の先生から全部話を聞いているらしく、ありがたかった。

自分で輸液をすることに不安でいっぱいだった私は、電話でその不安を解消しておきたかったのだが、そんな私の気持ちをよそに話はどんどん進んだ。

ひよりを連れていくわけにはいかないので、病院で実際の輸液を体験できないことも不安・・・。それでも先生は「大丈夫!」とおっしゃり、すぐにその日のうちに輸液のレクチャーを受けに行くことになった。

 

ひよりに針を刺すなんて・・・!

仕事が休みだった夫と一緒にレクチャーを受けることに。

輸液バッグの扱い方、チューブに液を満たして空気を抜く方法、針を刺す位置、皮膚のつまみ方、針の刺し方・・・等々

たくさん質問をしながらしっかりレクチャーを受けた・・・が、やっぱりひよりに針を刺すなんて・・・、と躊躇する気持ちが・・・。

すると先生は「私もそうです」とおっしゃった。「私は仕事だからブスっと針を刺すけれど、もしそれが自分の愛猫だったら色んな感情が沸いて躊躇なく針を刺すことは出来ません。それが普通です。」と。

そしてアドバイスをくれた。

「針を刺される」という違和感に敏感になる猫さんが多いので、先生は、針を刺す時、首の後ろをちょっとつねりながら刺すとのこと。そうすると、つねられたことに気を取られて、針が刺さったという違和感から猫さんの気をそらすことが出来るのだそう。

「針を刺す」という一番緊張する場面についてのアドバイスに少し安心できた。

 

夫の自信と一抹の不安

輸液バッグには、抗生剤とステロイド、そして吐き止め薬のセレニアも一緒に入れてもらえることになった。これで無理やり錠剤を飲ませることも無くなり、ひよりのストレスが一つ減る。ひよりが輸液を嫌がらずに受けてくれればこんなに良いことはない。

輸液バッグとチューブ、針、アルコール脱脂綿を受け取り帰宅した。

自分で針が刺せるかどうか、チューブからうまく空気を抜くことができるかどうか、そして何よりひよりに苦痛がないかどうか・・・グルグル考えてしまって落ち着かない気持ちで過ごしたが、なぜか夫は自信満々。「不安なら俺がやる。俺は出来る。」と言っている・・・一抹の不安。

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いよいよ輸液

帰宅してみるとひよりはキッチンの奥で寝そべっている。こんな場所で寝た事ないのに。吐き気も見えず落ち着いているようなので、自分たちの夕食を済ませた。

落ち着かない夕食を終えて、いよいよ輸液。

ひよりは見慣れない輸液セットを見て警戒している。抱き上げて、準備しておいたダンボールの中へ。よかった、じっとしている。

私が輸液バッグを持ち、夫が自信満々に針を持つ。まずはひよりの肩甲骨の間をつまんでちょっとつねるくらいの力を入れて皮膚を引き上げ、45度くらいの角度で針を刺す。ひよりは針を刺す時も無反応だった。針の痛みは感じていないようす。ひとまず針はちゃんと皮膚と筋肉の間に入ったようだ。

ダイヤルを回してロックを外し、輸液を流し込む。

うーん、なかなか液が落ちていかない。なんだか想像していたのとは違う。輸液はスローモーションみたいにゆっくりゆっくり落ちていく。

以前病院で先生に輸液をしてもらった時は10分くらいで終わったのに・・・何がいけないんだろう。。。

30分くらいたったかなぁ...20mlくらい入ったところでひよりがモゾモゾ動き出し針が抜けてしまった。ごめんね。今までじっと我慢していたんだね。

小さな小さなラクダのコブがひよりの背中に出来ている。ほんの20mlだけど、ちゃんと輸液は入っている。今日のところはこれで良しとしよう。

「ひよちゃん、お疲れ様。頑張ってくれてありがとうね。」

 こうして、今日から1日150mlの輸液を目指して ひよりと一緒に頑張ることになった。 

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 【後記】

輸液については実際の猫さんで練習してみるわけにもいかないので、話を聞くだけでは不安でたまりませんでした。「コワイ、コワイ」と繰り返していると、先生が「鶏のむね肉で練習してみるといいよ。」と教えてくれて、練習用に針を1本くださいました。鶏肉の皮のある側から針を刺す感覚が、輸液の時の感覚に似ているから、と。私と夫は帰りに早速鶏むね肉を買って、何度も練習を重ねてからひよりの輸液に臨んだのでした。

この日の輸液は、1度目に針が抜けてしまった後 再度チャレンジしましたが、2度目はつまんだ皮膚を突き抜けて針先が外に出てしまったようで、ひよりの背中がびしょびしょになっただけで終了しました。1時間くらい輸液に悪戦苦闘して、結局20mlしか入りませんでしたが、「今のひよりは口からだったら20mlも飲めないよね」と思い、私はヨシとしたのでした。

ですが、夫は違いました。輸液する前の夫の自信満々ぶりに一抹の不安を感じていた私でしたが、その不安は的中しました。自信満々だったのに20mlしか輸液できなかったことに夫はすっかり自信をなくして拗ね倒し、翌日から針を刺すのは私の役目となったのでした。

 

 <通院の覚え書き>

・輸液(リンゲル液)、抗生物質(ERFX)、ステロイド(Pred)、吐き止め薬(セレニア) ¥3,000-

・輸液ライン ¥1,000-

・21G注射針(¥100×4本) ¥400-

(’19.3.20)