こころの穴は ねこのかたち。

~愛猫ひよりの病気のはなし。そして・・・ひよりのいない”今”を生きてます。~

めーたんの節分・・・太巻きをけりけり。

そんなワケで、めーたんはうちの子になりました。

 

こんなワケ↓
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 そして こんなワケ↓
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先日、夫が義父と電話で話したようで、義父は新居に引っ越して嬉しそうにしながらも、

「めーたんがいなくて寂しい」と言っていたそう。

(どの口が言う)

うちの子になったからには、もう義父とめーたんを会わせたくありません。

(私はココロが狭いのです)

 「親権はわたしのもの。養育費も慰謝料もいりませんから、今後一切 面会はしないでください。」

という心境です。

 (恐ろしくココロ激狭)

 

 さて、昨日は節分でしたね。

めーたん、初めての豆まきにビビリながらも、床に散らばった豆をちょいちょいして楽しんでいました。

太巻きもプレゼントしましたよ。

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 「この太巻きはアタシのものっ」

 

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 「けりっけりっっ」

 

この太巻き、けりけりも楽しそうですが、カミカミすると歯磨き効果があるそうで。

節分が終わっても毎日けりけりカミカミして、しっかり歯磨きしてもらおうと思います。

めーたんがやって来た・・・その理由とは。

昨年末めーたんとの暮らしが始まりました。 

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そして今日は、めーたんがうちにやってることになった理由を聞いてほしいのです。

(ちょっと暴言を吐くかも知れません(^-^; )

 

先日お話ししたとおり、めーたんは昨年末まで義父と暮らしていました。

義母が他界して一人暮らしになってしまった義父は「猫を飼いたい」と言いだし、めーたんを家族に迎えました。

当時は我が家の愛猫ひよりも元気で、私たち夫婦は猫と暮らす幸せを義父にも味わってもらえることに大喜びでした。初めての一人暮らしで義父が塞ぎ込んでしまうことも心配だったので、私たちは猫さんとの2人暮らしに大賛成したのでした。

 

あれから2年半…

ご存じのとおり、めーたんは我が家にいます。

そのワケは・・・。

 

『義父の引っ越し』です。

 

義父は引っ越しマニアです。

引っ越す前の家は、義母がまだ元気だった数年前に新築した一戸建てです。

歳を取って義父の引っ越しに付き合うのがしんどくなった義母が「終の住処を建てましょう。」と言い、義父もそれに賛成しました。「もう引っ越しはしない。ここを最後の家にしましょうね。」という義母の言葉に義父も「当たり前だよ。もう歳なんだから。」と同意し、近くにお墓も買いました。(そのお墓に義母は眠っています。)

 

それなのに。

義母が亡くなって3年と経たないうちに、もう引っ越しです。しかも隣の県に。(義母が眠るお墓からも かなり遠くなります。)

ゴルフに出掛けた帰りにたまたま通りかかったマンションの『内見できます』の文字に釣られて、ついつい内見してしまったのがコトの始まり。もう、引っ越したい欲が止められなかったようで…

 

電話をかけてきた義父は、声を弾ませてこう言いました。

「引っ越すことにしたよ~。」

ビックリして私達はたずねました。

「念のため聞くけど、めーたんも一緒に引っ越せるんだよね?」

すると義父は答えました。

「それがペット不可なんだよ。」

「・・・?!」

 

・・・めーたんと一緒に暮らせるかどうかなんて考えなかったようです。

私はこの事実に大きく動揺してしまいました。唯一 義父のことだけを信頼して愛していた めーたん(私達夫婦にはちっとも懐いていませんでした)。その大好きな義父にこんなにあっさりと捨てられるなんて。めーたんの気持ちを考えたら泣けて泣けて…。

猫ファーストが当たり前になっている私には、めーたんを手放してまで引っ越しがしたい義父の気持ちが分かりません。何かやむを得ない理由があるなら、一生懸命理解しようとしますが、何度 義父と話しても『やむを得ない理由』がどうしても見えてきません。

 

モヤモヤモヤモヤモヤ・・・・・

 

めーたんと離れて暮らすことは もちろん、義母との約束を反故にしたことも何とも思わないのでしょうかね?

こーゆー人を『人でなし』って言うんじゃないでしょうか。

 

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「今、下僕のちゃとらが さらっとヒドイこと言いましたよ。」

 

・・・人生で初めて『人でなし』とゆー言葉を使った気がします。。。

 

明けましておめでとうございます!...『猫ストーリーは突然に』

年が明けて既に10日ほど経ちました...遅ればせながら、みなさま明けましておめでとうございます。

我が家では ひよりのいない2度目の新年を迎えております。

今年もどうぞよろしくお願いします🐱

 

さて、ひよりのいない新年…と書きました。もちろん ひよりはいないのですが、実は昨年12月30日、我が家に猫さんがやってきました。

なんと、令和初の新年は思いがけなく猫さんと迎えることになったのです。

突然始まった猫さんとの暮らし。今日はそのご報告です。

猫さんの名は、めーたん(本名メリー)。アメリカンショートヘアーの女の子、今年3歳になります。

 

めーたんは義父(夫の父)と暮らしていた猫さんです。急なことではありましたが、訳あって昨年末 義父と別れて我が家に引っ越してきました。

(義父が亡くなったとか入院したとか、そういう理由ではないのでご心配なく。)

 

猫さんの3歳といえば、もう子供ではありませんから、私達や我が家に慣れるまでには時間がかかるだろうと覚悟していましたが、今ではすっかり慣れ、私達夫婦に心を開いてくれるようになりました。

めーたんの性格は とても おっとり。引っ越してきたばかりでも ちゃんとトイレをして、食欲も旺盛。カリカリを一気食いすることもなく、少しずつ食べることができる優等生です。

 

正直 ひよりを見送ってからは、しばらくは猫さんとの暮らしはやってこないだろうと思っていました。またいつか最愛の子を見送るなんて…そんな自信はもうすっかりありませんでした。なので、突然めーたんが我が家に来るとなった時には、動揺して、動揺しまくって、取り留めもなく不安ばかりをため込んでいました。

「いつか見送る不安」だけでなく、「ひよりと比べてしまわないだろうか」だとか「ちゃんと愛せるだろうか」だとか... モヤモヤを募らせていたのです。

今でもまだそのモヤモヤは残っています。またいつかこの子を見送る日が来るのかと思うと とても怖い。

でも、めーたんはかわいい。(「ちゃんと愛せるだろうか」という不安は早々に解消。)

心を開いてくれた めーたんには愛情倍返しで応えたい。

だから、めーたんを愛することには躊躇したくありません。

めーたんと暮らすうちに このモヤモヤは徐々に消えてくれるかな…。時間が解決してくれることを祈るばかりです。

 

実はひとつ、時間が解決することは無いだろうと思っている”モヤモヤ”があります。

それは「義父とめーたんが別れることになった理由」。

めーたんがうちに来てくれたことは幸せなことだし、義父よりもめーたんに愛情を注げる自信もある。でも、どうしても”モヤモヤ”が消えない。

よろしければ次回その話を聞いていただきたいと思うのです。。。

 

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 「はじめまして。メリーです。新しい下僕は私のことを ”めーたん” とか ”めりこ” とか ”めりお嬢” とか勝手な呼び名で呼びます。以後よろしゅうに。」

ひより、命日。

夏が終わろうとしています。皆様いかがお過ごしですか。

去年の夏、愛猫ひよりは病気の肉体をまとって 辛そうにしながらも、それでも一生懸命 生きていました。

そして夏が終わるころ、ひよりは茶とらの毛皮を脱いで自由になりました。

昨年の今日がまさに”その日”。今日はひよりの命日です。

もう1年も経ったんだなあ・・・ 嘘みたい。

 

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私はこの1年、ひよりの事を毎日考えて過ごしてきました。

 病気で辛いひより、痩せてしまったひより、触れたら吐いてしまうひより、辛い薬を我慢して受け入れたひより、病院で怖い思いをさせてしまったひより、抱っこするとゴツゴツとした骨を感じるひより、抱きしめたら壊れてしまいそうな痩せたひより・・・

そんな姿ばかり。その後でいい思い出も思い出すんですが、それは 思い出そうと努めないと思い出すことができませんでした。

最初にやって来るのはいつも後悔と寂しさばかり。まさしく これが世に言う「ロス」なんだろうなぁ、とぼんやり考えたり。。。

 

・・・ですが!2~3日前に 私の中で不思議な変化があったのです!

 

2~3日前の夜、布団に入った時のこと。

ふと、ひよりの感触を思い出す瞬間がありました。

足元にひよりがやってきて、私のつま先にねりねりと顔をこすり付けてくる、あの感触。

ひよりは布団から私の足が出ていると、いつも つま先に ねりねりぐりぐり と顔をこすり付けてくる子でした。

そのあとは、かすれた声でにゃーと鳴きながら私の顔を覗きこんで、ゴロゴロ言いながら頭を撫でられるのを待ち、撫でると安心して眠りに就く。

いつものルーティーン。

そんな感覚が、なぜだか急に思い出されたのです。

私の脇の下あたりに丸くなった ひよりの重みが蘇って来て、とても満たされた気持ちに。

その夜は寝違えることも無く(笑)よく眠れました。

それ以来、色んな感覚がどんどん戻って来るようになりました。

元気だった頃のひよりの体の重さ、ひよりの体温を感じながら抱っこする感触、ずっと抱っこしていると痺れてくる手の感覚、ひよりのおなかに付いたタプタプの脂肪の感じも・・・急にふわっと戻って来ました。

あれあれ?不思議な感じです。

ひより、あの夜 本当に私のつま先にねりねりしに来た?

「いつまでも うじうじ!いい加減にしてよ!」という ひよりからのサインかも。

確かに1年も うじうじしてたのかと思うと...長いねぇ。ちょっと嫌だよねぇ。。。面目ない。

でも!安心してほしい!

私、もう大丈夫みたいだよ!

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「遠くにいるけど ちゃんと見てるよ。」

 

今日は、ひよりが病気の体を脱ぎ捨てた記念日。

夫と2人で "お祝い" しなくちゃ。

そして、ひよりに「ありがとう」と「大好き」をいっぱい伝えなくちゃ✨

ひより、初めての里帰り。

こんにちは。お盆まっただ中、皆様いかがお過ごしですか?

 

我が家は昨年旅立った愛猫ひよりの新盆を迎え、好物のちゅーるとシーバスープを準備して、ひよりの里帰りを待っています。

きっともう帰って来ているのだと思うんですが…私にはそういう能力が無いらしく、ひよりの姿を見たり感じたり出来ずにいます。。。

ひよりの帰りを待ちながら、ふと妄想してしまった事があるので、今日はそのお話を。

 

私達夫婦には子供がいないので、ひよりを通して夫と2人で「子供がいたらこんな感じかなぁ」と、よく妄想します(笑)。

で、今回は「巣立った子供の帰りを待つ親の気持ちって、こんなこんな感じかなぁ」と。(いや、ちょっと違うか?)

もし、ひよりが生きていたとして(親元を巣立った娘、という設定。笑)、私はひよりの母親で、久し振りのひよりの帰省を待っているのだとしたら…そりゃもう好物を食べきれないくらい作って、布団を干してみたり、お土産に持たせるものを用意してみたりしながら、帰りを今か今かと待っちゃうなぁ、と。

ひよりに会いたくて、喜ぶ顔を見たくていそいそと色々準備して。

 

帰ってきたら来たで、いつまでいられるのか、泊まっていけるのか、次はいつ帰ってくるのかって、しつこく聞いちゃうよなぁ。

で、ウザがられて冷たくあしらわれて、揚げ句の果てに泊まらずに帰るなんて言われたら…そりゃもう淋しくて泣いちゃうなぁ、と。

 

で、おやっ?と。

それって私が自分の母親にしてきた事だな・・・。

そうかぁ、こんな切ない気持ちになるんだね。。。しんみり・・・。

 

(やっぱりちょっと違うか?)

 

で、ひより 初めての里帰り。

ひよちゃんはいつまでいられるの?もうずっとここにいたらいいよ。

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「お盆が終わったら行かなくちゃ」

茶とらの毛皮を脱ぐとき ・・・’18.9.17のこと②(最後の1日)。

 ↓前回です。ひよりは意識を失い、横になったまま手足を動かし”歩き”続けました。

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 今回の記事には愛猫ひよりの「最期の時」の描写があります。ご自身の体験を思い出されたり、不快に思われる方もいらっしゃるかもしれません。そのようなご不安がある方はここでページを閉じてください。。。

 

 ひよりが首を動かした?!

一睡もせずひよりに付きそう私を夫が心配して、「少し眠ったら?」と言ってくれた。

私はひよりの事が心配で眠りたくなんかない。夫が「倒れる前に少し寝なさい!何か変化があったら絶対に起こすから!」と約束してくれて、少し眠ることにした。

 1時間くらい眠っただろうか。夫が私の名前を呼ぶ声で飛び起きた。

ふとんを跳ね飛ばしてひよりのところへ行ってみると、夫が「ひよりが首を上げた!」と言う。

意識は無い様子・・・。何が起こったんだろう。ひよりが首を動かすなんて信じられない。意識が無いのに首を上げるなんて。首を上げたひよりを実際に見ていない私は、どうしても信じられずにいた。ひよりはまた同じように、ゆっくりと手足を動かし続けていて変わった様子は無かった。

今度は夫に眠るよう促すと、とりあえずシャワーを浴びたいと言って浴室へ。(夫は夕べからちょくちょく仮眠をとっていた。)

夫は急いでシャワーを浴び、ひよりの様子に変わりがないことを確認すると、ドライヤーで髪を乾かし始めた。すると、ドライヤーの音に反応するようにひよりの首がくいっと動いた。(!!!)慌てて夫を呼ぶ。

そうか、何かの音に反応して筋肉が動いてしまうんだ。反射みたいなものなのかな・・・。

・・・ってことは、耳はまだ聞こえている!そういうことだよね?!そう思うと なんだか嬉しくなった。

 

どうしても引き止めてしまう・・・

 その後もずっと、ひよりはゆっくりと手足を動かして歩き続けたが、1度だけ手足をピーンと伸ばし、しっぽの先まで力を入れる瞬間があった。尿がツーっと出て、慌てた私は思わず「ひより?!しっかり!」と声をかけた。するとその声に応えるようにすぐにひよりはまた元の体勢に戻り、ゆっくりとゆっくりと歩き始めた。

また「しっかり!」なんて引き止めるようなことを言ってしまったな・・・。ひよりは無理してそれに応えてくれたのかな・・・。などと反省しつつもホッとしてしまった。まだひよりはここにいる。まだ一緒にいてくれる・・・。

 

「その時」  

 夕方になっても、ひよりは一歩一歩ゆっくり手足を動かしていた。そして、何度目かにひよりのシーツを替えようとしたとき、またしてもひよりの手足の動きが止まった。さっきとは様子が違う。全身に力が入っている。(!!!!!)

びっくりして「ひより?!」と名前を呼ぶ。ひよりは、くーっと手足に力を入れて伸ばし、しっぽを膨らませている。ヒゲがざわっと前に向かって伸びて口元にも力が入っているのが分かる。私も夫も息を飲んで「その時」を覚悟する・・・。

夫と2人で何度も「ひより!」と名前を呼ぶ。すると、ひよりは全身に力を入れたまま「なー」とひと声鳴いた。

「!!!!!?」

「ひより!?ひより!!」

力いっぱい伸ばした手足から徐々に力が抜けていく...

顔からもしっぽからも徐々に力が抜けていく...

 

そして...

ゆっくりと時間が止まるみたいに、ひよりの表情が”無”になった...。

夕方17時頃だった。

 

自由に・・・

ああ、ひよりは自由になったんだ。たくさん頑張ったひよりの体が静かに横たわっている。「私のかわいいひより、最後に返事をしてくれたんだね。ありがとうね。私のひより…。かわいいひより…。」泣きながら何度もひよりの体をなでて話し掛けた。

毛皮を脱ぐ作業がこんなに大変だなんて。こんなにも長い時間、こんなにもたくさん歩き続けるなんて・・・・・。

 ひよりが倒れてから17時間、意識を失ってから実に15時間以上がたっていた。

 ひよりの表情はとても安らかで、静かな寝顔だった。病気の体をようやくぬけ出して、自由に、楽になれた。たくさんたくさん頑張ってくれた。

 あふれる気持ちはうまく言葉にならない。夫も同じ気持ちのよう。

私たちは泣きながら「かわいいひより。大好きだよ。」ばかりを繰り返していた。

 

ポンコツ飼い主だったけど、いっぱい愛してくれてありがとう。ひよちゃんの愛はたっくさん受け取ったよ。

 私がそちらに行く時は必ず迎えに来てね。それまで待ってて。

世界一大切なひより。大好きだよ。』

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「ひと足先にいくね」

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【後記】

ひよりが「その時」を迎えるまでの記録、本日で終了です。

この記事を読んで、ご自身の体験を思い出されて辛くなってしまったり、気分を害された方がいらっしゃるかもしれません。本当にすみません。でも私はひよりがもう生きられないと知った時、最後の瞬間のことが気になって仕方がありませんでした。私は冷静に見送れるんだろうか、正気でいられるんだろうか、と何度も何度も考えて不安になり、ちっとも覚悟が出来なかったのです。なので、私と同じような気持ちの方へ向けて、「こういう最期だったよ」という記録を残しておきたいと思いました。

日記風の記録は今日で終わりですが・・・、

これから先は、ひよりのこと・・・この後の葬儀のこととか、先生への報告時に教えてもらった”歩く”理由のお話とか・・・、もちろん元気だった頃のひよりのお話も、思い出すままにブログに綴っていこうと思っています。

拙いブログ、今後も続いちゃいます。よろしければお付き合いいただければと思います。

いつもありがとうございます!

ひより・ちゃとら

(’19.8.3)

”歩く”ひより ・・・‘18.9.17のこと①。

 ↓前回です。ひよりはとうとう倒れてしまいました。ですが、私はまだ事の重大さに気付いていません。

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前回の記事で、当時 私が綴った日記は終わっています。ここからは記憶を頼りに、その後ひよりに起こったことを記していきたいと思います。

 

吐きたいだけだよね?

ひよりに「おやすみ」を言った直後、ひよりはまたすぐに起きて歩き出したかと思うと、寝室のドアの前でバタンと音を立てて倒れてしまった。深夜12時頃のことだった。

ひよりは こもった声で「んなー」と鳴いている。その日ひよりは1度も吐いていなかったため、私は「吐けばスッキリするよね?また落ち着くよね?」と考えていた。

リビングに嘔吐セット(嘔吐物を受け止めるトレーやティッシュペーパー)を取りに行くと、ひよりが「おーん」と大きな声で鳴いた。

「行かないでー」と言っているように聞こえた。「はーい」と私。

急いで戻って、ひよりに声をかける。

「ひより、吐いていいよ。吐いてスッキリしよう。」

ひよりは上半身だけを2本の前足で支えて、頭を上げてこちらを見ているが、なんだか様子がおかしい。黒目がやけに大きくて時どき眩しそうに目をパチパチさせている。

「ひより?」

 

見えてないの?

いつ吐いてもいいようにトレーをひよりの前に置いてみたけど、それにも気づいていない?トレーがひよりの体に当たってようやくそれに気付いたという感じ。もしかして見えてないの?不安がざわーっと押し寄せてくる。

オロオロうろたえる私。ひよりの名前を呼びながら頭を撫でることしか出来ない。

「ひより、ひより・・・。」

ひよりの名を呼びながら撫で続けて間もなく、ふとひよりの首から力が抜けるのが分かった。そして、首をかしげるように ゆっくりとひよりの頭が私の手のひらの中に沈み込んできて、ひよりは意識を失ってしまった。

「ひより!ひより、嫌だよ!」

”その時”が来てしまったんだ。ああ、本当に来てしまった。とうとう来てしまった。

ひよりの頬を手のひらに乗せたまま、私は目の前にある現実を否定する方法を まだ考えていた。

 

しっぽで応える「聞こえているよ」

「ひより・・・、ひより・・・」何度も呼び掛ける。意識を失ってはいるものの、呼びかけるとひよりは しっぽを小さくパタッと動かして応えてくれた。

ああ、ちゃんと聞こえてる。ひよりの耳に私の声はちゃんと届いている。

「ひより、ありがとうね。よく頑張ったね。色々苦しい思いをさせてごめんね。私のかわいいひより。大好きだよ。」

夫と2人で泣きながら何度も何度も話しかけた。話しかけては しっぽが動くことに安心して・・・を繰り返していた。

ひよりを撫でながらどれくらい時間が経っただろう。

ひよりのしっぽがふと動かなくなった。何度呼んでも動かない。耳はもう聞こえていないのかな?いや違う。心臓は力強く動いている。しっぽを動かすことが出来なくなっただけ。声はちゃんと聞こえているはず。

ひよりの隣に横になり、相変わらず私はひよりに話しかけ続けた。 

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「世界一好き」

 

こんな時までダメな私

そこで、おむつを付けたままだった事に気づいた。

ああ早く外してあげれば良かった!ごめんね気持ちが悪かったよね。

おむつを外して、ペットシーツをひよりの下に敷き、ひよりの体勢を整える。気付いてみると、ひよりの体の下にドアストッパーがあったり、ひよりの足が小さく曲げられていたり、ひよりは寝心地が悪かっただろうに・・・!早く気付いてあげれば良かった!後悔をたくさんしながら、ひよりを楽な体勢に寝かせた。パニック状態になると何も気づけない私。早く楽な体勢にしてあげれば良かった。こんな時までダメな私。嫌になる。

 

”歩く”ひより

深夜3時頃だろうか、おむつを外して手足を伸ばしてしばらくすると、ひよりは横になったまま手足をゆっくり動かし始めた。意識は無い中で、まるで歩いているようにゆっくりゆっくり手足を動かす。

こんなに歩いたら疲れちゃうよ・・・。手足を動かし続けるひよりが心配になり、撫でながら私が手足の動きを制すと、夫が言った。

「歩かせてあげよう。歩きたいんだよ。」

・・・そうか。ひよりはどこかへ行く途中だったんだもんね。歩いてどこかへ行こうとしてた。その途中で倒れちゃったんだ。そうだったね。行っておいで。ひより。

ひよりはそれからずっと ゆっくりと歩き続けた。

 

午前6時前、空がうっすら明るくなったころ、私たちはひよりと一緒に寝室からリビングへ移動することにした。ひよりの大好きなリビングのカーペットの上にひよりと一緒に移動し、ペットシーツを新しくしてひよりを寝かせる。寝そべって意識の無いまま、ひよりは早速歩き始める。ゆっくりゆっくり、一歩一歩・・・。

 

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【後記】

夫と約束していたことがあります。

『ひよりにもしもの時が来たら、「頑張れ」とか「行かないで」は言わないでいよう。もう充分 頑張ったから、引き止めるのはやめよう。』というものでした。

でも、ひよりが意識を失った時、私が咄嗟に言った言葉は「嫌だよ!」だったと記憶しています。どうしてもひよりと別れたくない私、勝手ですね。ひよりがしんどい体から解放される時に、まだ引き留めようとするなんて。でも、その時はすぐに反省して切り替えて、「ありがとう」と「世界一好き」を伝える事ができました。ひよりはそれに応えて、しっぽをパタッと動かしてくれました。

(’19.7.12)