強制給餌 ・・・'18.8.24のこと。
久しぶりのゴロゴロ
起床してリビングに出てみると、ひよりは箱座りでじっとしていた。
「おはよう」と声をかけると、こちらを見て目を細める。昨日よりは悪くなさそうな表情に見える。
体調を確かめたくてブラシに誘ってみる。
ブラシをしてあげると、うっすら喉をゴロゴロ・・・。久しぶりに喉の音を聞いた。力強いゴロゴロではないけれど、耳を近づけると「グツグツグツグツ・・・」とかすかに聞こえる。この音、安心する・・・。
食欲はどうか。
食べ物を近づけると、顔をそむけて逃げるようにクローゼットへ引っ込んでしまう。食べたい気持ちは皆無。ただ、吐き気のサイン"くちゃくちゃ"が無いのが救い。
夫が出勤して掃除機がけが終わると、ひよりがクローゼットから出てきてリビングで横になる。今日は私と一緒にいてくれるの?嬉しい・・・(泣)
ひよりが くつろいでいると嬉しくて、体から力が抜けていくのが分かる。
昨日はこれまでで一番悪いかも知れないと不安になったのに、今日は落ち着いている・・・。本当にひよりの体調はくるくる変わる。
”ネギとろ”を試す
吐き気は無いようなので今日は何か食べて欲しい。
8/22に病院に行った時、先生が教えてくれた方法を試してみようかと考える。先生は、”ネギ抜きのネギとろ”がいいよ、と教えてくれた。お魚だしカロリーもあるし、ひよりちゃんがお刺身好きなら食べさせてみて、と。
ネギとろを指にとって上あごに塗り付ければ、猫はペッペッと出すことが出来ないので、もぐもぐゴックンと飲んでくれるそうだ。
これが巷でいう「強制給餌」というもの?「強制給餌」はネットで調べて知ってはいたけれど、名前もイカツイし あまりやりたくないなぁ というのが正直なところ。
でも今はそんなこと言ってられないか。ひよりは特にお刺身好きではないけど、カロリーも栄養もあるなら試してみよう。
スーパーの開店と同時に入店し、ネギとろ(ネギ抜き)を購入。室温に戻した後、先生の言うように指に取り ひよりの上あごに塗り付けてみる。
ほら、ネギとろ おいしいでしょ?ゴックンしてね。
願い空しく・・・というか予想通り、ひよりはブンブン首を横に振り、口の中のネギとろは飛んで行ってしまった。
うーん・・・そんなにうまくいかないよね。それに、ネギとろは好きじゃないみたい。ネギとろで吐き気を誘発してしまうかと心配で見守ったが、今日は吐き気はやって来なかった。
そして、残りのネギとろは夫の夕ご飯となった。
療法食ペースト
どうせ何を食べさせても嫌がるなら、次は療法食をペースト状にして試してみよう。
もっと口の奥の方に塗り付けてあげれば、もしかしたら飲み込んでくれるかも知れない。この方法でうまくいけば療法食が食べられて、長かった膀胱炎の苦しみからも解放される。私は、気の進まなかった強制給餌の方法を、ネットでたくさん調べて準備をし、覚悟を決めた。ひより、頑張ろうね。
早速ひより用のすり鉢を購入。小さめのすり鉢にロイヤルカナンの療法食コントロール0 のカリカリを入れてすりつぶす。カリカリはけっこう硬くて、小さいすり鉢では すりつぶすのは なかなか大変だった。
ぬるま湯を入れてペースト状にする。指に付くくらいの軟らかさになるまでよく練り、療法食ペーストが出来上がった。
お昼頃、療法食ペーストを試す。ひよりは気配を感じ取り、逃げる気満々だったが、クローゼットに逃げ込んだところであっけなくつかまる。そのままクローゼットの中で強制給餌を試みた。クローゼットの中は狭いので、ひよりは逃げようがなく仕方なく療法食ペーストを食べることとなった。
嫌がって顔をそむけてイヤイヤをし、口からこぼれる量も多かったが、少しは飲みこんでくれた様子。イヤイヤをするひよりを押さえつけて食べさせるのは、泣きたいくらい心が痛んだ。だけど、ひよりが元気になるなら嫌われたっていい。ここは心を鬼にして頑張らなければ。
飲みこんだのは、カリカリにしたら1~2粒分に過ぎないのかもしれない。1回に食べられる量が少ないなら、1日何回かに分けて少しずつ食べさせてみよう。
食べさせても吐き気が襲ってくる様子もなく、今日は比較的落ち着いている。この調子で強制給餌を続けていけば、体力も付いて自分から食べられるようになるかも知れない。
少し望みが出てきて頑張る気持ちになる。ひより、一緒に頑張ろうね。
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【後記】
「強制給餌」・・・好きになれない言葉だったりします。。。もちろんゴハンを食べられない猫さん(や、犬さん達)がきちんと栄養を摂るために大切な事だし、強制給餌で元気になったコはたくさんいるのも知っています。その行為そのものは悪い事ではないのは分かるけど、でも、この4文字熟語みたいなイカツイ名前、苦手です。
私にとって この日のネギとろから始まった「強制給餌」は、苦い後悔のひとつとなっています。あの時のイヤイヤをするひよりの姿が今でも頭から離れず、とてもとても苦しいのです。
('18.11.11)