「3年前の思い出」~by Googleセンセイ
たいへんお久しぶりでございます。
1年以上のご無沙汰でしょうか。
最近、Googleセンセイが「3年前の思い出」として、亡き愛猫 ひより の写真を次々と見せてきます。3年前の9月といえば闘病中の写真ばかり・・・。
腸腺がんに侵されながらもひたすら強く静かに静かに生き抜いた、当時のひよりの記憶がよみがえってきます。それと同時に、何をしたらいいのか、何をしたらダメなのか、何もわからず動揺するしかなかった自分の愚かさや後悔も思い出して泣けてきます。
「この写真は見たくなかったやつだよ、Googleセンセー・・・」とツッコんではみたものの、ひよりの写真は懐かしくて愛しい。
9月17日、実は今日ひよりの3回目の命日なんです。
(初めての命日↓)
もう3年もたちました。
辛い写真ばかりだから と、見るのを避けていたたくさんの写真。
Googleセンセイがすすめてきた3年前の写真をようやくちゃんと見る気になりました。
すると…あの頃とは写真を見る目が変わっていることに気付きました。
辛い、悲しい、涙、なみだ、ナミダ...ばかりだと思っていたあの時間は、実は愛が溢れまくって、愛に包まれまくっていたんだと。
(「愛」って言葉、人間に対して使うと何かゾワゾワしちゃうけど、猫にはなんで こうもためらわずに使えちゃうんだろう笑)
あんなに気持ちを伝えあって、愛にまみれていた時間は今までに無かったんじゃないでしょうか。人生で一番濃密な時間だったような気がしています。もうほんとに「愛」しか無かった。
毎日一緒にいて、ずっとくっついていて、「大切」「愛してる」「ありがとう」をいっぱい伝えたし、ひよりからの「大切」「愛してる」「ありがとう」も いっぱい受け取りました。
Googleセンセイおすすめの写真を3枚ほど。
見つめ合ってたくさんおしゃべりをしました。
ひよりを膝にのせて何時間でも過ごしました。
ひよりは痩せた体を私にあずけて「大好き」を伝え続けてくれました。
ひよりの感触が蘇ります。
大切で、愛しくて、あったかくて、いい匂いの…ひよちゃんに会いたいなぁ。。。
ところで、めーたん、元気です。
うちへ来てからもうすぐ2年。
もうすっかり元の飼い主(義父)のことは忘れたと思います(願望)。
ひよりと違っておっとりさんで、色んなことを覚えるのが苦手です。
水を飲むのが下手くそで、毎回 口のまわりがビショビショになります。
そういう赤ちゃんみたいなところが可愛くて可愛くて仕方がないです。
こんなに赤ちゃんみたいなコなのに、ひよりみたいにベッタリ甘えてくれることはありません。でも近頃、ひよりと同じような甘え方をすることがあって驚かせたりします。
私が喜ぶ甘え方を、ひよりがこっそり教えてくれているのかもしれません。
キッチンカウンターの上で寝返りを打って落ちたりします。あぁ かわいい♡
ブログ更新が甚だしく不定期な私ですが、、、皆様のブログには相変わらずおじゃまさせてもらってます。これからもよろしくお願いします(*^-^*)
最後まで読んで下さりありがとうございました。
ひより、命日。
夏が終わろうとしています。皆様いかがお過ごしですか。
去年の夏、愛猫ひよりは病気の肉体をまとって 辛そうにしながらも、それでも一生懸命 生きていました。
そして夏が終わるころ、ひよりは茶とらの毛皮を脱いで自由になりました。
昨年の今日がまさに”その日”。今日はひよりの命日です。
もう1年も経ったんだなあ・・・ 嘘みたい。
私はこの1年、ひよりの事を毎日考えて過ごしてきました。
病気で辛いひより、痩せてしまったひより、触れたら吐いてしまうひより、辛い薬を我慢して受け入れたひより、病院で怖い思いをさせてしまったひより、抱っこするとゴツゴツとした骨を感じるひより、抱きしめたら壊れてしまいそうな痩せたひより・・・
そんな姿ばかり。その後でいい思い出も思い出すんですが、それは 思い出そうと努めないと思い出すことができませんでした。
最初にやって来るのはいつも後悔と寂しさばかり。まさしく これが世に言う「ロス」なんだろうなぁ、とぼんやり考えたり。。。
・・・ですが!2~3日前に 私の中で不思議な変化があったのです!
2~3日前の夜、布団に入った時のこと。
ふと、ひよりの感触を思い出す瞬間がありました。
足元にひよりがやってきて、私のつま先にねりねりと顔をこすり付けてくる、あの感触。
ひよりは布団から私の足が出ていると、いつも つま先に ねりねりぐりぐり と顔をこすり付けてくる子でした。
そのあとは、かすれた声でにゃーと鳴きながら私の顔を覗きこんで、ゴロゴロ言いながら頭を撫でられるのを待ち、撫でると安心して眠りに就く。
いつものルーティーン。
そんな感覚が、なぜだか急に思い出されたのです。
私の脇の下あたりに丸くなった ひよりの重みが蘇って来て、とても満たされた気持ちに。
その夜は寝違えることも無く(笑)よく眠れました。
それ以来、色んな感覚がどんどん戻って来るようになりました。
元気だった頃のひよりの体の重さ、ひよりの体温を感じながら抱っこする感触、ずっと抱っこしていると痺れてくる手の感覚、ひよりのおなかに付いたタプタプの脂肪の感じも・・・急にふわっと戻って来ました。
あれあれ?不思議な感じです。
ひより、あの夜 本当に私のつま先にねりねりしに来た?
「いつまでも うじうじ!いい加減にしてよ!」という ひよりからのサインかも。
確かに1年も うじうじしてたのかと思うと...長いねぇ。ちょっと嫌だよねぇ。。。面目ない。
でも!安心してほしい!
私、もう大丈夫みたいだよ!
「遠くにいるけど ちゃんと見てるよ。」
今日は、ひよりが病気の体を脱ぎ捨てた記念日。
夫と2人で "お祝い" しなくちゃ。
そして、ひよりに「ありがとう」と「大好き」をいっぱい伝えなくちゃ✨
ひより、初めての里帰り。
こんにちは。お盆まっただ中、皆様いかがお過ごしですか?
我が家は昨年旅立った愛猫ひよりの新盆を迎え、好物のちゅーるとシーバスープを準備して、ひよりの里帰りを待っています。
きっともう帰って来ているのだと思うんですが…私にはそういう能力が無いらしく、ひよりの姿を見たり感じたり出来ずにいます。。。
ひよりの帰りを待ちながら、ふと妄想してしまった事があるので、今日はそのお話を。
私達夫婦には子供がいないので、ひよりを通して夫と2人で「子供がいたらこんな感じかなぁ」と、よく妄想します(笑)。
で、今回は「巣立った子供の帰りを待つ親の気持ちって、こんなこんな感じかなぁ」と。(いや、ちょっと違うか?)
もし、ひよりが生きていたとして(親元を巣立った娘、という設定。笑)、私はひよりの母親で、久し振りのひよりの帰省を待っているのだとしたら…そりゃもう好物を食べきれないくらい作って、布団を干してみたり、お土産に持たせるものを用意してみたりしながら、帰りを今か今かと待っちゃうなぁ、と。
ひよりに会いたくて、喜ぶ顔を見たくていそいそと色々準備して。
帰ってきたら来たで、いつまでいられるのか、泊まっていけるのか、次はいつ帰ってくるのかって、しつこく聞いちゃうよなぁ。
で、ウザがられて冷たくあしらわれて、揚げ句の果てに泊まらずに帰るなんて言われたら…そりゃもう淋しくて泣いちゃうなぁ、と。
で、おやっ?と。
それって私が自分の母親にしてきた事だな・・・。
そうかぁ、こんな切ない気持ちになるんだね。。。しんみり・・・。
(やっぱりちょっと違うか?)
で、ひより 初めての里帰り。
ひよちゃんはいつまでいられるの?もうずっとここにいたらいいよ。
「お盆が終わったら行かなくちゃ」
茶とらの毛皮を脱ぐとき ・・・’18.9.17のこと②(最後の1日)。
↓前回です。ひよりは意識を失い、横になったまま手足を動かし”歩き”続けました。
今回の記事には愛猫ひよりの「最期の時」の描写があります。ご自身の体験を思い出されたり、不快に思われる方もいらっしゃるかもしれません。そのようなご不安がある方はここでページを閉じてください。。。
ひよりが首を動かした?!
一睡もせずひよりに付きそう私を夫が心配して、「少し眠ったら?」と言ってくれた。
私はひよりの事が心配で眠りたくなんかない。夫が「倒れる前に少し寝なさい!何か変化があったら絶対に起こすから!」と約束してくれて、少し眠ることにした。
1時間くらい眠っただろうか。夫が私の名前を呼ぶ声で飛び起きた。
ふとんを跳ね飛ばしてひよりのところへ行ってみると、夫が「ひよりが首を上げた!」と言う。
意識は無い様子・・・。何が起こったんだろう。ひよりが首を動かすなんて信じられない。意識が無いのに首を上げるなんて。首を上げたひよりを実際に見ていない私は、どうしても信じられずにいた。ひよりはまた同じように、ゆっくりと手足を動かし続けていて変わった様子は無かった。
今度は夫に眠るよう促すと、とりあえずシャワーを浴びたいと言って浴室へ。(夫は夕べからちょくちょく仮眠をとっていた。)
夫は急いでシャワーを浴び、ひよりの様子に変わりがないことを確認すると、ドライヤーで髪を乾かし始めた。すると、ドライヤーの音に反応するようにひよりの首がくいっと動いた。(!!!)慌てて夫を呼ぶ。
そうか、何かの音に反応して筋肉が動いてしまうんだ。反射みたいなものなのかな・・・。
・・・ってことは、耳はまだ聞こえている!そういうことだよね?!そう思うと なんだか嬉しくなった。
どうしても引き止めてしまう・・・
その後もずっと、ひよりはゆっくりと手足を動かして歩き続けたが、1度だけ手足をピーンと伸ばし、しっぽの先まで力を入れる瞬間があった。尿がツーっと出て、慌てた私は思わず「ひより?!しっかり!」と声をかけた。するとその声に応えるようにすぐにひよりはまた元の体勢に戻り、ゆっくりとゆっくりと歩き始めた。
また「しっかり!」なんて引き止めるようなことを言ってしまったな・・・。ひよりは無理してそれに応えてくれたのかな・・・。などと反省しつつもホッとしてしまった。まだひよりはここにいる。まだ一緒にいてくれる・・・。
「その時」
夕方になっても、ひよりは一歩一歩ゆっくり手足を動かしていた。そして、何度目かにひよりのシーツを替えようとしたとき、またしてもひよりの手足の動きが止まった。さっきとは様子が違う。全身に力が入っている。(!!!!!)
びっくりして「ひより?!」と名前を呼ぶ。ひよりは、くーっと手足に力を入れて伸ばし、しっぽを膨らませている。ヒゲがざわっと前に向かって伸びて口元にも力が入っているのが分かる。私も夫も息を飲んで「その時」を覚悟する・・・。
夫と2人で何度も「ひより!」と名前を呼ぶ。すると、ひよりは全身に力を入れたまま「なー」とひと声鳴いた。
「!!!!!?」
「ひより!?ひより!!」
力いっぱい伸ばした手足から徐々に力が抜けていく...
顔からもしっぽからも徐々に力が抜けていく...
そして...
ゆっくりと時間が止まるみたいに、ひよりの表情が”無”になった...。
夕方17時頃だった。
自由に・・・
ああ、ひよりは自由になったんだ。たくさん頑張ったひよりの体が静かに横たわっている。「私のかわいいひより、最後に返事をしてくれたんだね。ありがとうね。私のひより…。かわいいひより…。」泣きながら何度もひよりの体をなでて話し掛けた。
毛皮を脱ぐ作業がこんなに大変だなんて。こんなにも長い時間、こんなにもたくさん歩き続けるなんて・・・・・。
ひよりが倒れてから17時間、意識を失ってから実に15時間以上がたっていた。
ひよりの表情はとても安らかで、静かな寝顔だった。病気の体をようやくぬけ出して、自由に、楽になれた。たくさんたくさん頑張ってくれた。
あふれる気持ちはうまく言葉にならない。夫も同じ気持ちのよう。
私たちは泣きながら「かわいいひより。大好きだよ。」ばかりを繰り返していた。
『ポンコツ飼い主だったけど、いっぱい愛してくれてありがとう。ひよちゃんの愛はたっくさん受け取ったよ。
私がそちらに行く時は必ず迎えに来てね。それまで待ってて。
世界一大切なひより。大好きだよ。』
「ひと足先にいくね」
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【後記】
ひよりが「その時」を迎えるまでの記録、本日で終了です。
この記事を読んで、ご自身の体験を思い出されて辛くなってしまったり、気分を害された方がいらっしゃるかもしれません。本当にすみません。でも私はひよりがもう生きられないと知った時、最後の瞬間のことが気になって仕方がありませんでした。私は冷静に見送れるんだろうか、正気でいられるんだろうか、と何度も何度も考えて不安になり、ちっとも覚悟が出来なかったのです。なので、私と同じような気持ちの方へ向けて、「こういう最期だったよ」という記録を残しておきたいと思いました。
日記風の記録は今日で終わりですが・・・、
これから先は、ひよりのこと・・・この後の葬儀のこととか、先生への報告時に教えてもらった”歩く”理由のお話とか・・・、もちろん元気だった頃のひよりのお話も、思い出すままにブログに綴っていこうと思っています。
拙いブログ、今後も続いちゃいます。よろしければお付き合いいただければと思います。
いつもありがとうございます!
ひより・ちゃとら
(’19.8.3)
”歩く”ひより ・・・‘18.9.17のこと①。
↓前回です。ひよりはとうとう倒れてしまいました。ですが、私はまだ事の重大さに気付いていません。
前回の記事で、当時 私が綴った日記は終わっています。ここからは記憶を頼りに、その後ひよりに起こったことを記していきたいと思います。
吐きたいだけだよね?
ひよりに「おやすみ」を言った直後、ひよりはまたすぐに起きて歩き出したかと思うと、寝室のドアの前でバタンと音を立てて倒れてしまった。深夜12時頃のことだった。
ひよりは こもった声で「んなー」と鳴いている。その日ひよりは1度も吐いていなかったため、私は「吐けばスッキリするよね?また落ち着くよね?」と考えていた。
リビングに嘔吐セット(嘔吐物を受け止めるトレーやティッシュペーパー)を取りに行くと、ひよりが「おーん」と大きな声で鳴いた。
「行かないでー」と言っているように聞こえた。「はーい」と私。
急いで戻って、ひよりに声をかける。
「ひより、吐いていいよ。吐いてスッキリしよう。」
ひよりは上半身だけを2本の前足で支えて、頭を上げてこちらを見ているが、なんだか様子がおかしい。黒目がやけに大きくて時どき眩しそうに目をパチパチさせている。
「ひより?」
見えてないの?
いつ吐いてもいいようにトレーをひよりの前に置いてみたけど、それにも気づいていない?トレーがひよりの体に当たってようやくそれに気付いたという感じ。もしかして見えてないの?不安がざわーっと押し寄せてくる。
オロオロうろたえる私。ひよりの名前を呼びながら頭を撫でることしか出来ない。
「ひより、ひより・・・。」
ひよりの名を呼びながら撫で続けて間もなく、ふとひよりの首から力が抜けるのが分かった。そして、首をかしげるように ゆっくりとひよりの頭が私の手のひらの中に沈み込んできて、ひよりは意識を失ってしまった。
「ひより!ひより、嫌だよ!」
”その時”が来てしまったんだ。ああ、本当に来てしまった。とうとう来てしまった。
ひよりの頬を手のひらに乗せたまま、私は目の前にある現実を否定する方法を まだ考えていた。
しっぽで応える「聞こえているよ」
「ひより・・・、ひより・・・」何度も呼び掛ける。意識を失ってはいるものの、呼びかけるとひよりは しっぽを小さくパタッと動かして応えてくれた。
ああ、ちゃんと聞こえてる。ひよりの耳に私の声はちゃんと届いている。
「ひより、ありがとうね。よく頑張ったね。色々苦しい思いをさせてごめんね。私のかわいいひより。大好きだよ。」
夫と2人で泣きながら何度も何度も話しかけた。話しかけては しっぽが動くことに安心して・・・を繰り返していた。
ひよりを撫でながらどれくらい時間が経っただろう。
ひよりのしっぽがふと動かなくなった。何度呼んでも動かない。耳はもう聞こえていないのかな?いや違う。心臓は力強く動いている。しっぽを動かすことが出来なくなっただけ。声はちゃんと聞こえているはず。
ひよりの隣に横になり、相変わらず私はひよりに話しかけ続けた。
「世界一好き」
こんな時までダメな私
そこで、おむつを付けたままだった事に気づいた。
ああ早く外してあげれば良かった!ごめんね気持ちが悪かったよね。
おむつを外して、ペットシーツをひよりの下に敷き、ひよりの体勢を整える。気付いてみると、ひよりの体の下にドアストッパーがあったり、ひよりの足が小さく曲げられていたり、ひよりは寝心地が悪かっただろうに・・・!早く気付いてあげれば良かった!後悔をたくさんしながら、ひよりを楽な体勢に寝かせた。パニック状態になると何も気づけない私。早く楽な体勢にしてあげれば良かった。こんな時までダメな私。嫌になる。
”歩く”ひより
深夜3時頃だろうか、おむつを外して手足を伸ばしてしばらくすると、ひよりは横になったまま手足をゆっくり動かし始めた。意識は無い中で、まるで歩いているようにゆっくりゆっくり手足を動かす。
こんなに歩いたら疲れちゃうよ・・・。手足を動かし続けるひよりが心配になり、撫でながら私が手足の動きを制すと、夫が言った。
「歩かせてあげよう。歩きたいんだよ。」
・・・そうか。ひよりはどこかへ行く途中だったんだもんね。歩いてどこかへ行こうとしてた。その途中で倒れちゃったんだ。そうだったね。行っておいで。ひより。
ひよりはそれからずっと ゆっくりと歩き続けた。
午前6時前、空がうっすら明るくなったころ、私たちはひよりと一緒に寝室からリビングへ移動することにした。ひよりの大好きなリビングのカーペットの上にひよりと一緒に移動し、ペットシーツを新しくしてひよりを寝かせる。寝そべって意識の無いまま、ひよりは早速歩き始める。ゆっくりゆっくり、一歩一歩・・・。
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【後記】
夫と約束していたことがあります。
『ひよりにもしもの時が来たら、「頑張れ」とか「行かないで」は言わないでいよう。もう充分 頑張ったから、引き止めるのはやめよう。』というものでした。
でも、ひよりが意識を失った時、私が咄嗟に言った言葉は「嫌だよ!」だったと記憶しています。どうしてもひよりと別れたくない私、勝手ですね。ひよりがしんどい体から解放される時に、まだ引き留めようとするなんて。でも、その時はすぐに反省して切り替えて、「ありがとう」と「世界一好き」を伝える事ができました。ひよりはそれに応えて、しっぽをパタッと動かしてくれました。
(’19.7.12)
急変・・・’18.9.16のこと②。
↓前回です。ひよりに、おむつを付けてもらうことを決意しました。
おむつを付けてみる
クローゼットで寝ているひよりに「ひよちゃん、おむつ付けてみよう。」と、そっと声をかけながらおむつをあててみた。 ひよりは逃げようと起き上がるので、後を追いかけながらなんとか付けてみる。
うーん、ダイソーのおむつは股上が浅い。それにテープの位置がひよりに合ってないような気がする。ちゃんとしたおむつはもっとしっかりしているのかな。ひよりは歩きにくそうにしている。ごめんね、出来ることなら おむつは付けたくないよね。
・・・でも、おむつ姿は なんともかわいい。
輸液セットのおかわり
16:30頃、病院にお願いしておいた輸液セットを受け取りに行った。最初にもらった輸液が今夜の分で終わりそうなので、おかわりを頼んでいたのだ。けっこう混んでいたけれど、受け取るだけだったので受付で輸液セットをもらい、会計を済ませてすぐに帰宅することが出来た。
急いで帰ってみると、ひよりは押し入れで寝ていた。
ひよりのお気に入りは押し入れの上の段だけど、今日は下の段にいる。上にあがることができなかったのかな・・・。少しずつ出来ない事が増えていく。仕方が無いことだけど、やっぱり胸が痛む。
おむつはちゃんと付けたままでいてくれてる。よく見ると黄色いシミが。おむつにちゃんとおしっこできたね。
ひよりが押し入れから出てきたタイミングで おむつ交換。
ひより、逃げる。でもなんとか換えられた。やっぱり股上が浅い。テープの位置もひよりには合わなくてキツキツになってしまいそうだったので、緩めにガムテープで固定した。
明日、ちゃんとしたおむつを買いに行ってくるからね。今日のところはこれで我慢してね。
今日の輸液は100ml
夫が帰宅。換えたばかりのおむつがまたも黄色い。今日もたくさんおしっこが出る。
ひよりはおむつを外すと心なしかホッとした顔をする。寝る時間まで、しばらくおむつは外しておくことにした。
おむつを外すと、ひよりは窓辺に行き 外を眺めてくつろぎ始めた。
その場で輸液を開始。今日も時間をかけて100mlほど入った。まずまずといったところ。ひよりも終始ベランダを見ながらくつろぎの中で終えることが出来た。
就寝
さあ、寝る時間。ひよりにおむつをしてもらう。夫にひよりの手を持ってもらって、ひよりの背後からおむつを付ける。ひよりが嫌がるので慌ててしまい、ひよりのしっぽを無理やり曲げる形になってしまった。ひよりは「んにゃー」と抗議。
ごめん!痛かったよね。ごめんね。謝りながら、おむつを一度外してなんとか装着しなおした。
おむつを付けたひよりは、体に入った輸液の重さもあってか、ちょっと左にヨロヨロっとよろけながら不安定な足取りでクローゼットへ向かった。
私たちもひよりの後に続いて寝室へ移動。クローゼットで横になったひよりに「おやすみ」を言って明かりを消した。
どうしたの?!
明かりを消すとすぐに、ひよりがクローゼットから出てきた。どうやらリビングに向かう様子。暗闇の中で耳を澄まして ひよりの気配を感じていると・・・
ドタッ
音がした。
「ひより!どうしたの?!」
名前を呼ぶと、「んなー」と こもった声で答える。
明かりを点けるとひよりは、寝室のドアの前でうずくまっていた。うずくまるというより後ろ足が立たずに上半身だけ起こしているような状態。
「ひよりが倒れちゃった!」慌てて叫ぶと、夫も驚いて飛び起きる。
「ひより、どうしたの?」と声をかけると、「んなー」と答える。
こもった声。吐き気があるのかな。そう言えば今日は一度も吐いていない。そうか、だからきっと胃の中に胃液がたまって気持ちが悪いんだ。そうだ、そうに違いない。きっと吐いたらスッキリして、またゆっくり眠れるはずだ。
私は「んなー」と鳴くひよりに、「大丈夫だよ。吐いていいよ。」と声をかけながら、リビングに嘔吐セット(嘔吐物を受け止めるトレーやティッシュペーパーなど)を取りに行く。
ひよりは「おーん」と大きな声で鳴いた。
「行かないでー」と言っているように聞こえた。「はーい」と私。
これから起こる事をうまく予想できずにいた私は、のんきにリビングから「すぐ戻るよー」と返事をしていた。
「お別れなんて嫌だよ」
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【後記】
この日はまだ、ひよりとの生活が終わってしまうことに気付いていません。リビングから「すぐ戻るよー」とのんきに答えていた私は、『スッキリ吐いてゆっくり寝たら、明日は おむつを買いに行って、ひよりには快適なおむつを付けてもらって、そして、おかわりした輸液を頑張って・・・ひよりとの生活はまだまだ続くんだ。』と思っていました。
でも・・・、おかわりした輸液セットを使用することはありませんでした。
日記はこの日で終了しています。この翌日の出来事は次回、記憶を頼りに綴っていきたいと思います。
<通院の覚え書き>
輸液ライン(チューブ等) ¥1,080-
21G注射針 6本 ¥648-
合計 ¥4,968-
(’19.6.30)
おむつの決断・・・’18.9.16のこと①。
↓前回です。ひよりと私は、ベランダで秘密の時間を過ごしました。ひよりと私だけの大切な時間です。
朝の日課
ひよりがトイレの砂をかける音がする。
ああ、今日もちゃんとおしっこが出たんだね。
起床してみると、トイレの前に敷いたペットシーツの上にちゃんと出ていた。今日もたくさん。輸液で水分も摂れているし、脱水症状の心配は無さそうで一安心。ひよりは再びクローゼットに戻って眠っている。
まずは、朝の日課となったトイレ掃除から1日がスタート。ひよりがクローゼットで寝ている間にささっとペットシーツを替える。
こうやって毎朝ひよりのトイレ掃除から始まる1日が、穏やかにずっと続くといいな。おしっこがちゃんと出ていることを確認しつつ掃除する、私とひよりの朝の日課。これがずっと続いてほしいと思うのは私のわがままなのかな。ひよりはどう思う?ひよりは辛い?
この上ないご褒美
窓を開けると早速ひよりが起きてくる。ひよりは外の空気が好き。今日も風に当たってゆっくりしようね。
「ひより」と呼ぶと「んー」と返事が。あれ?ひよりの声??返事をしてくれたの?久しぶりにひよりが声を聞かせてくれた!嬉しい変化に 夫と2人で喜んだ。ひよりの声が聞けるなんて。私の呼びかけに応えてくれるなんて!
いつもはずっと窓辺で風に当たって、外を眺めたままで夫に行ってらっしゃいをするのに、今日は違う。
キッチンまで歩いて来て私を見上げる。
そして、「ひより」と呼ぶと小さな声で「んにー」と返事をしてくれる・・・。嬉しくて何度も名前を呼んでしまう。そのたびに返事をしてくれる。あんまり声を出させたら疲れちゃうよね。ほどほどにしなくちゃ。今日はなんだか体調が良さそう。ああ、嬉しくて仕方が無い。
夫の呼びかけにも「にー」と返事をして、今朝はそれが「行ってらっしゃい」の挨拶になった。
ひよりがカリカリの器の中を覗き込むようにしているので、スープ状のシーバをあげてみた。すると、ほんの少しだけどゆっくりと飲んでくれた!今日は顔をそむけることなく飲んでくれている。また食べ物を口にしてくれる日が来るなんて!
なんて嬉しいんだろう、ひよりがご飯を食べてくれるだけでこんなに嬉しい。こんなに幸せ。
輸液を始めたから体調がいいんだよね。ひよりも頑張ってくれてるし、輸液は正しい選択だったんだよね。
声を聞かせてくれて、ごはんも食べてくれて・・・こんなにたくさんのご褒美、もらっていいのかな。幸せ過ぎて涙が出るよ。
メダカと過ごす秘密の時間
今日もひよりと一緒にベランダへ。ひよりと私だけの秘密の時間。ひよりは自らメダカの鉢に手をかけてのぞき込む。本当にかわいい。昨日の水面ちょいちょいとは違い、今日は右手をどっぷり水の中へ。冷たくて気持ちがいいのか、しばらくそのまま水の中を眺めていた。メダカの動きを目で追いながら、ひよりは手を入れたまま、メダカとの時間を過ごした。メダカ達はビックリして鉢の底の方に避難している。メダカさんごめんね。怖いだろうけどちょっとだけ許してね。
ひよりをメダカ鉢から離して部屋に戻し、びっしょりになった手を拭く。拭いた後はベランダが見える位置にセットしておいたダンボールの中へ。ここにいてくれると安心。
↓メダカ鉢にどっぷりと手を入れるひより
ポタポタ・・・
さっきダンボールに入ったばかりなのに、ひよりがもう出てきた。見るとポタポタとおしっこを垂らしている。後ろ脚はビショビショ。ダンボールの中にもおしっこの水たまりが。ひよりは、自分の体からポタポタとおしっこが垂れているのを、不思議そうに振り返りながらゆっくりと歩いて移動する。ポタポタは止まらない。ひよりも困ったように座り込む。
ひとまずひよりを抱えて玄関へ。足やおしりをきれいに拭いて、いったん靴箱の下の隙間(ひよりはここが好き)に避難してもらい、ダンボールのおしっこを片付けた。
片付けながら「いよいよ おむつなのかな・・・」と考える。ひよりの意思に反してポタポタとおしっこが出てしまう状態。ペットシーツだけではもうどうにもならないのか・・・。
ひよりは靴箱の下でゆっくりしている。ひよりが落ち着いている間に ペット用おむつを見に行ってみようか。
おむつの決断
すぐに家を出て近くのスーパーへ。スーパーはおむつの品数が少なくひよりに調度良いサイズが無い。薬局にも行ってみる。やっぱり無かった。ダメ元で100均にも行ってみた。
すると、ペットコーナーに紙オムツが。4枚入りで108円。100均にあるとは思っていなかったので、へえーと感心しながら小型犬用のおむつを購入してみた。きっと付け心地は良くないんだろうな...。でも、ちゃんとしたオムツを手に入れるまでのお試しだ。そう思って買ってみることにした。明日は夫も休みだし、大きなホームセンターへ行って付け心地の良さそうな紙おむつを探そう。今日は100均のおむつでお試しだ。
帰宅してみると、ひよりはまだ靴箱の下にいた。ほっと一安心。
買い物したものを片付けて,ひよりの様子を見に行くと...玄関にいない。クローゼットを見てみるとひよりはそこで寝ていた。気づくと床に水滴が。水滴をたどってみると姿見の後ろに続いていた。覗いて見てみると、姿見の後ろには大きな水たまり・・・。ひよりの足も濡れている。
100均で買った紙おむつを試す決心がすぐに固まった。
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【後記】
ひよりが、めだか鉢の水の中に手をどっぷりと入れたままにしていたのは、冷たくて気持ちが良かったからではなく、もしかしたら元に戻す力が無かったのかもしれません。思いがけず、手がどっぷりと水に漬かってしまって、ひよりはどうしたらいいか分からず戸惑いながらじっとしていたのかもしれません。今その時の写真を見ると戸惑いの表情が見えるような気がします。でも当時、バカな私は目を細めて そんなひよりの姿をのんきに眺めていたのでした。
この日はひよりが「んにー」と鳴いて声を聞かせてくれたり、スープを飲んでくれたりと嬉しい変化を見せてくれて幸せを感じていましたが、その反面うっすらとわずかな不安も同時に感じていました。日記の中に「こんなご褒美、もらっていいのかな。幸せ過ぎて涙が出るよ。」と書いてあるように、嬉しいような不安なような複雑な気持ちでいたのです。そして・・・
そのうっすらと感じていた不安は この後、的中してしまうことになります。
(’19.6.6)