そばにいさせて ・・・’18.9.9のこと。
↓前回です。ひよりの体調は一気に悪くなりました。何も出来ない役立たずの私はオロオロするばかりでした。
押し入れの中で夜を明かす
朝6:00頃目が覚める。
ゆうべ押し入れにこもってしまったひよりが心配で、ろくに眠れずに過ごした。明け方にウトウトしたけれど、それまでにひよりが押し入れから出てきた気配はない。
起きてリビングに行ってみると、ひよりの姿はない。まだ押し入れの中にいるのかな?
押し入れの戸は常に開けっぱなしだが、反対側の戸を開けないとひよりの姿は見えない。
開けてみるのが なんだか怖い。
その前に、ひよりのいそうなところ...クローゼットやテーブルの下などを見てみる。
やっぱりいない。まだ押し入れの中にいるんだ。
夫もいつの間にか起きていて、「ひよちゃんは?」と聞く。
私が何も答えないでいると、夫が押し入れを開けた。すると・・・
うつろな目をしたひよりがこちらを見ていた。
心底ほっとする。
ひよりがそこにいて呼吸をしてくれている。良かった・・・。体から力が抜けるのが分かる・・・。
夜中のうちに吐いた形跡はない。ゆっくり眠れただろうか。
でも、ずっと押し入れにいたんだね。こんな狭くて暑いところに。
暑いだろうと思い、ひよりのいる場所の戸を少し開けておくと、しばらくしてひよりが出てきた。
トイレに向かう様子。
トイレに入ってしばらくしても出て来ないので見に行くと、中でうずくまっていた。
トイレの中で吐いてしまったようだ。触れて欲しくないようだったので そっとしておく。
その後、ゆっくりとそろそろ出てきてクローゼットへ向かった。
ゆっくり休みたいのだろう。付いて行ってみたが声を掛けたりはせず、ひよりが定位置で横になるのを見届けてリビングへ戻った。
ひよりは夕方までのほとんどをクローゼットで過ごした。
吐き気は今日も止まらない
夕方 様子を見に行くと、クローゼットを出て寝室の床にうずくまっていた。
吐き気があるのだろう。床のところどころにヨダレのような跡がある。
昨日、吐き止めと一緒に胃酸止めも飲ませなかったことを後悔。
今日は吐き止め薬(セレニア)と一緒に胃酸止め薬(ファモチジン)も飲ませることに。
吐き気があるらしいひよりに薬を飲ませるのは躊躇する気持ちもあったけど、このまま具合が悪い状態を見ているだけよりは、薬で体調が良くなる可能性にかけようと思った。
薬と水の準備をして、嫌がるひよりを膝の間に入れ、口を開けさせて薬を放り込む。
ひよりの喉をさすりながら「飲んでくれますように...。吐きませんように...。」と祈る。
ひよりはゴクンしたのかどうかも分からない。そのまま、しばらく神妙な顔をしてじっとうずくまっていたが、間もなく体を震わせて嘔吐。茶色がかった大量の液体を勢いよく吐いてしまった。
また自分の判断が間違っていた気がして泣けてしまう。
オロオロしながら、茶色く汚れたひよりの口元を拭こうとするも、ひよりはペロペロと舌を出しながら全身で拒否。また薬を無理やり口に入れられると思ったようだ。
全力で拒否するひよりの体力が心配で口を拭くことは諦めた。
ひよりにとっては、口元が汚れてしまった事より 私に何かされる事の方が嫌なんだ。
大量の嘔吐でスッキリしたのか、ひよりはリビングに移動し、ソファテーブルの下で横になった。
隙間に入りたい...?
21:00頃、ひよりが起き上がって移動するので見ていると、ソファと壁の隙間に入っていった。そんなところ、入った事もないのに・・・。
猫は最期の時が近づくと、狭いところに隠れたがると聞いたことがある。
ひより、そうなの?もうそんな時が来ているの?
私は少し離れたところで、泣きながら見守ることしかできない。
またひよりが移動する。
今度は窓際の近く、よりひんやりした場所。やっぱり狭いところに入って行く。
心配で心配で・・・でも何も出来なくて・・・。本当に私は何も出来ない役立たずだ。
しっぽの動きが心の支え
今夜は、こんなひよりを一人でリビングに残して眠ることはどうしても出来ない。
私の事が邪魔かもしれないけど、見守ることだけ許してほしい。ひよりの嫌がる距離には近づかないから、どうか今夜はそばにいさせて。
ひよりはカーテンの中に入って窓にくっついて寝ている。
私はソファで横になった。でも眠れるはずもなく、暗がりの中でカーテンの下から出ているひよりのしっぽをずっと眺めていた。
時折、「ひより」と声をかけると、しっぽを動かしてくれる。今はそのしっぽの動きだけが、それだけが私の心の支え。
夜中1:30頃、ひよりがカーテンの中から出て移動。少し歩くと立ち止まり、キッチン付近で吐いてしまう。その後クローゼットまでゆっくりと移動してまた嘔吐。2度とも茶色い液体だった。
クローゼットを掃除した後、ひよりを残してキッチンの掃除をしに行った。
ひよりがいない?!
掃除が終わり、ひよりの様子を見に戻ってみると、クローゼットにいたはずのいよりがいない。
気づかないうちにリビングに戻っているのかと 見に行ってみるが、やっぱり姿は見えない。
寝室の床やベッドの上を見てみてもどこにもいない・・・。
「ひよちゃん、どこ?!」
不安になり、夫を起こそうと寝室の明かりをつけた時、細長い鏡(姿見)の後ろから 茶色いしっぽの先が出ているのを見つけた。
・・・・・ほっとする。
「心配したよ、ひよちゃん」と声をかけると、しっぽの先を一度だけ ぱたりと動かしてくれた。
下から覗くかわいいしっぽ
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【後記】
この日は、ひよりが ”どうしても狭いところに入りたがる” という、今までにない行動を始めた日でした。 普段は見向きもしなかった狭い隙間に入って じっとしているひより・・・。それを見付けた時の衝撃は忘れられません。もう ひよりが 私たちから離れていこうとしている・・・そう思わずにはいられませんでした。「そばにいたい」という私の願いも、ひよりにとっては迷惑でしかない、そう思い知らされた日でもありました。
この後もひよりは色んなところに身を潜めて、私たちを動揺させます。
(’19.2.23)
役立たずの私 ・・・’18.9.8のこと。
↓前回です。ひよりとブラッシングタイムを楽しんだり、夫のオナラにビックリする可愛いひよりを見ることが出来たり...穏やかに過ぎる時間は手術からちょうど一週間だけの期間限定でした。
今日も穏やかな一日でありますように・・・
夜中にトイレの音がした。
早朝には爪とぎの音も。
その音を聞きながら「今日も穏やかな時間が過ごせますように・・」と、布団の中で神様にお願いをした。
爪とぎが終わると、ひよりはすぐに寝室へ戻ってきた。
昨日と同じように「ひより」と声をかける。ひよりはしっぽを立ててくれたようだが、昨日ほどピンと立っていないことに少し不安になる。
「ひよちゃん?」もう一度呼んでみると、ひよりは私の方を見て”くちゃくちゃ”のような仕草をした。
口を”くちゃくちゃ”させる仕草。吐き気がある時のサインだ。
急にザワザワと不安が大きくなる・・・。
ひよりはそのままクローゼットへ。一人でゆっくりしたいという意思を感じる。
恐れていた嘔吐
ひよりはずっとクローゼットにいる。
14:00過ぎ、スイカの果汁を絞って、ひよりの様子を見にクローゼットへ。
スイカを口元へ持っていくと、少しだけ飲んでくれた。飲みたい気持ちがあることに安心する。
だが、安心したのも束の間、ひよりが嘔吐した。
ごめんね、私が余計な事したせいだね。ごめん、ごめんね・・・。
私はオロオロするばかり。
その後も口をくちゃくちゃさせている。吐き気は治まらない様子。
吐き止め薬のセレニアを飲ませようとするも、全力で嫌がるので躊躇。
すると2度目の嘔吐。黄色い透明の液体。
ひよりは辛そうな様子で、落ち着く場所を求めるようにヨロヨロ歩き回る。
そして3度目の嘔吐・・・。
どうしよう、嘔吐が止まらない・・・。
何も出来ない役立たず
私はどうしていいか分からず、泣きながらオロオロするばかり。
吐き止め薬を飲ませたいが、抵抗するひよりの体力が心配で、そして更なる嘔吐が心配で何も出来ない・・・。ダメな私。何の役にも立たない。
ひよりはテーブルの下で少しの間 横たわる。落ち着いたのかと思いきや4度目の嘔吐…。黄色い液体を少し。
この嘔吐の後、ひよりは私のことがうっとうしい様子でクローゼットへこもってしまう。私は何も出来ない役立たず。ひよりをそっとしておくことしかできない。他に出来ることが何も思いつかない。
一日中ぐったりと横たわるひより...
大量の嘔吐
3時間ほどゆっくりと眠って、ひよりがクローゼットから出てくる気配。出て来てくれた事が嬉しくて急いで行ってみると、ひよりはすぐに立ち止まり えづき始めた。
力を入れて全身を震わせ、かつて無いくらいの激しいえづきの後、オロオロする私の前で茶色いような緑色のような液体を吐いた。
今までに見たことが無いくらい大量の嘔吐・・・。
ひよりも、自分が吐いた物の量に驚いたのか、しばらく嘔吐物を見て呆然としているかのように立ちすくんでいた。
ひよりの口も鼻も嘔吐物で茶色く汚れている。勢いよく吐いたから、きっと鼻からも嘔吐物が出てしまったんだ。鼻も痛いだろうに...。
鼻や口を拭こうとするも、ひよりはイヤイヤをする。仕方が無いので、汚れたままだけどそっとしておくしかない。私はとことん何もしてあげられない...。
吐き止め薬を飲ませる
もう辛そうなひよりを見ていられなくなり、嫌がられても薬を飲ませることにした。
一人でうまく飲ませられるか不安だったが、意を決して薬の準備をする。
嫌がるひよりの体を膝の間に入れて、右手に薬を持ち、左手でひよりの口を開けて、なるべく喉の奥に薬を落とす。急いでひよりの口を閉じて喉をさする・・・。
「ひより。頑張って飲んで!お願いゴクンして・・・!」
「・・・ゴクン」
ああっ、よかった!飲んでくれた・・・!
これで吐き気が治まればいい。でももし、もし治まらなかったら…?覚悟しなければいけない…?胸が詰まる…。
18:30頃、夫が帰宅。ひよりの様子を伝えると早めに帰ってきてくれた。
ひよりは私たちの寝室の床に転がるように寝ている。窓の下のフローリグが冷たくて気持ちいいのだろう。
吐き気は治まりつつある様子。薬が効いたんだ…。良かった。
もっと早く飲ませてあげればよかった。ごめんね、ひより。私の判断はいつも遅い。
私を避けるひより
22:30頃、寝室からひよりの吐いている気配がする。
行ってみると寝室の窓の下で吐いている。今日6度目の嘔吐だ。吐き止め薬を飲ませてから5時間程度。まだ薬がよく効いている時間のはず。ひよりはもう薬が効かない体なのかと思うとショックでたまらない。
ひよりは私たちから逃げるように移動を始めたが、移動の途中でもう一度吐いてしまう。もう今日は7度目だ。
ひよりはよだれを垂らしながらクローゼットへ。薬の溶けた苦い胃液を吐いたからか、舌をずっとペロペロしている。
心配で見に行く私を避け、逃げるようにひよりはリビングへ。
舌をペロペロさせているひよりの口を拭いてあげようと、温かいおしぼりを作ったが、激しく嫌がって押し入れに入ってしまい、拭くことは出来なかった。
押し入れはひよりが一番落ち着ける場所だ。
ここへ入るという事は、もう放っておいてという合図。
心配でたまらないけど、こんなに私たちを避けているひよりを これ以上追いかけまわすことは出来ない。今夜は押し入れでゆっくり休んで欲しい。
「また明日ね」と挨拶をして、後ろ髪を引かれる思いで寝室へ引き上げた。
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【後記】
この1週間、穏やかな時間を過ごしているうちに、もしかしたらこのまま、穏やかな時間をもうしばらく過ごすことが出来、そして眠るような理想的な最期を迎えられるんじゃないか・・・と思い始めていました。そんな時の急変。7回の嘔吐は想像以上で、何もしてあげられない自分が情けなくて、自分を責めて・・・ひよりから少し離れた場所で泣きながら謝り、見守ることしかできませんでした。
病院の先生からは「吐き止め薬を飲ませても効かなくなる時がくる」と聞いており、その時は覚悟をしましょうと言われていました。ですが、この日は覚悟なんてちっとも出来ていなくて、ただただオロオロするばかり・・・。先生に相談しようにも、「覚悟してください」と言われるのが怖くて電話も出来ず、結局ひよりのそばにいても何の役にも立たないクズ飼い主でした。。。
(’19.2.18)
神様がくれた1週間<7日目> ・・・’18.9.7のこと。
↓前回です。ひよりは大好物のスイカをおいしそうに食べてくれました。
爪研ぎの音
早朝、うっすら目が覚めてひよりのことをぼんやり考えていると、リビングの方から爪とぎをする音が聞こえる。
ああ、今日も爪を研ぐ力があるんだ、と安心する。
爪を研ぎたい気持ちがあることが嬉しくて鼻の奥がつーんと痛くなる。
ひよりは爪研ぎが終わるとすぐに寝室へ戻ってきた。
「ひよちゃん」と声をかけると、しっぽをピンと立ててくれた。でも一度もこちらを見ずにクローゼットの中へ。眠りたいんだね。
おはようの挨拶
起床時間になり、クローゼットのひよりに「おはよう」と挨拶すると、喉をゴロゴロ鳴らしてくれた。ひよりの『おはよう』の挨拶だ。
「ゆっくり眠ったらリビングに来てね。」と声をかけて朝の支度をしにキッチンへ。
夜のうちにおしっこが出ていた。おしっこシートをよく見ると、ストルバイト結晶のキラキラが見えるような気がした。やっぱり膀胱炎は治ってないのかな。。。
うんちは出ていない。そろそろ出てくれるといいんだけど。
“ころん”をする至福の時
16:00頃、ようやくひよりがクローゼットから出てくる。
今日は心配になるくらいよく寝ていた。
少しヨロヨロと歩いているように見える。トイレかなと思ったが、まっすぐソファのところに。
私は急いでソファに座り、膝にさそったが乗ってくる気配はない。自力で飛び乗る力が無いのかな・・・?
ソファの下で横になるので、その場でブラシをした。ブラシは気持ちがいいようで、ひよりは”ころん”をしてお腹を見せてくれた。
どんどん痩せてきているのが分かる。「その時」が近づいているようで怖くなる。
ブラシの後は、私もひよりの隣に”ころん”をして、ひよりと一緒にゆっくりと時間を過ごした。
そばにひよりがいる大切な時間。この時間は残り少ないんだろうか。
砂時計の砂がどんどん落ちていくような感覚に襲われて、焦るような気持ちになる。
9/7 幸せなブラシの時間
先生に聞くこと
開腹手術から今日で1週間。先生から病理検査の結果はまだ来ない。
結果の連絡が来たら、先生に聞いておきたい事がある。今のうちに質問事項をまとめておこう。
①がんの種類が分かった上で、余命はどれくらいと考えればいいか。
②これからどういう症状が出るか。考えられる症状を全て知りたい。
吐血、下血、けいれん・・・など。
③痛みで辛そうな時、病院に連れて行かずに私が出来ることは何があるか。
でも、本当に知りたいのは『ひよりがこれからどういう経過をたどって、いつお別れが来るのか』・・・。でも、症状はそれぞれで先生に聞いてもはっきりした回答はもらえない事も理解している…。
かわいい出来事
23:00頃、ひよりがクローゼットから出てくる。嬉しくて思わず抱き上げてしまう。そのままソファへ。しばらくヒザでくつろいでくれる。
昨日よりずいぶん痩せたように見える。今日はウェットフードをしぼったスープを一口しか飲んでいない。
目の焦点も合っていないような気が・・・。
不安な気持ちがこみ上げてきたところで・・・夫が大きなオナラをした。
!!!
ビックリして ひよりと私が同時に顔を上げる。ひよりと私、同時にビックリしたこと、そして同時に顔をあげた事が 可笑しくて可愛くて …夫と笑ってしまう。
ひよりも一緒に微笑んでいるようで、空気が柔らかくなった。
ひよりはヒザを降りてソファテーブルの下に落ち着く。今夜はここで寝るんだね。
痩せた体を横たえて目を閉じるひよりに「おやすみ、また明日ね」と ちゅーをした。
****************************
【後記】
開腹手術からこの日で7日がたちました。ちょうど1週間です。病理検査の結果はまだ出ていません。
「神様がくれた1週間」というタイトルが7回続きましたが、穏やかな1週間はこの日で終わりです。翌日からひよりは体調を一気に崩していきます。本当にタイトルの通り、1週間だけという期限付きで神様が用意してくれたかのような奇跡の1週間でした。
(’19.2.14)
神様がくれた1週間<6日目> ・・・’18.9.6のこと。
↓前回です。ひよりは力いっぱい爪とぎをする姿を見せてくれました。
ブラシをしながらお話
朝からひよりはリビングにいる。起床してみるときちんとお座りして出迎えてくれた。
寝る前に用意しておいたフードは食べていない。おしっこ少量。うんち無し。
ひよりが口をむにゃむにゃさせている。もしかして吐き気のサイン”くちゃくちゃ”では?と心配になり、様子を見ることに。
ブラシをすると気持ちよさそうにしている。良かった。吐き気はないようだ。
ブラシをしながらたくさん話をした。
「気分がいい日が長く続くといね。少しづつでも何か食べられるといいな。お水は毎日飲めるといいね。ブラシも毎日しようね。具合が悪くなったらすぐ言うんだよ、お薬をもらってくるからね・・・。」
時間をかけてブラシをして、「ごはん?」と聞いてみる。
何か食べたそうに私の顔を見るので、ウェットフードのペーストやスープを用意する。
顔の前に近づけてみるも、匂いをかぐだけで食べる気配なし。それどころかテンション低めにクローゼットにこもってしまう・・・。食べたくなかったのかな、気持ち悪くなっちゃったかな、ごめんね。そっとしておく。
ひよりは夜までクローゼットでゆっくり眠った。
ひよりの好きな物『スイカ』
ひよりの好きなスイカを買ってみた。スイカなら水分も摂れるし糖分だってある。果肉は食べられないだろうから果汁だけ少し絞ってみた。
22時頃、なかなか起きて来ないひよりの様子を見に、スイカの果汁を持ってクローゼットへ。ゆっくり眠っていた様子だったが、私を見て頭を上げてくれた。
スイカを顔に近づけてみる。ひよりは好物のスイカだと分かったようで、ハッとした顔をしてペロペロと舐めてくれた。嬉しくて嬉しくてたくさん果汁を絞った。
果汁をたくさん飲んだ後、ひよりはリビングに出てきて"ころん"をして、お腹を見せてくれた。スイカで水分と糖分がとれて、元気が出たのかな。やっぱり好きなもののチカラは大きいね。スイカパワーだね。
ひよりはスイカが大好き
調子に乗って反省
スイカを味わってから1時間くらいして、モンプチのスープ(コンソメ仕立て)をあげてみた。スイカ以外に何か"ごはん"らしいものを口に入れて欲しくなったのだ。
初めてのモンプチスープ、スープならいいかな...と思って買ってみたけど、どうだろう・・・
飲んでくれた!今日は1日スイカ以外 何も食べてくれないかと思ったから安心した。何か食べてくれるというだけで こんなに嬉しい。
ひよりは今夜はリビングで寝るらしい。ひよりに「おやすみ」をして寝室へ。
ふとんに入ったとたん、ひよりが吐いている音がしてビックリして飛び起きる。
・・・モンプチをたくさん吐いていた。
ひよりはテンション低めにクローゼットへ行ってしまった。ごめんね。私が調子に乗って食べさせたせいだね。
すぐ調子に乗る...私の悪いところだ。明日からは吐かないように少しづつ、ひよりの好きなものだけ用意しよう・・・。ごめんね、ひより。明日もゆっくり過ごせるといいね。
****************************
【後記】
この頃はブラシをしながら、ひよりと話をしたり ちゅーをしたり・・・スキンシップをたくさんしました。もう数日するとひよりは 私のことを避けるようになります。この時のブラシの時間は今でも忘れらない、幸せをかみしめる時間でした。
ひよりはスイカが大好きで、スイカの気配を感じ取ると どこにいてもやって来て、スイカをおねだりしました。小さめに切ってあげるとザリザリと一心不乱に舐めます。スイカの皮の白いところが出てくるまで、いつまでもザリザリ舐めているほどスイカが好きな子でした。
そろそろ手術をしてから1週間。病理検査の結果が出るころでした。もう結果がどうであれ、やせ細ったひよりに更なる闘病をさせるつもりはなかったのですが、頭の隅で結果を気にしている私もいました。もし良性の腫瘍だったら?悪性でも転移が無ければ?・・・病院へはもう連れて行かないという固い決意があったにもかかわらず、矛盾した感情もありました。
(’19.2.7)
神様がくれた1週間<5日目> ・・・’18.9.5のこと。
↓前回です。ひよりは「にゃー」と鳴いて私を見上げてくれたり、膝に乗ってくつろいでくれたり、穏やかな時間を過ごしました。
“ころん”をする幸せ
明け方、ひよりがクローゼットからリビングへ移動する音で目が覚める。
今日も、動けていて歩けていることに感謝の気持ちが湧いてくる。
私もリビングに行ってみると、ひよりはソファテーブルの前に箱座り。具合が悪いのかな?とドキッとする。
「おはよう」と声をかけて恐るおそる撫でてみると、ころんをしてお腹を見せてくれた。良かった...。今日も体調は悪くなさそう。
お腹を見せてころん。ちょっと痩せちゃったね。
ごはんを食べる幸せ
さて、ゆうべ準備しておいたゴハンはどうか。
ゴハン・・・完食している!!うれしい!
調子に乗って、朝ごはんにシーバのウェットフードもあげてみる。もちろんそのままでは食べられないので、すり鉢でペースト状にする。
食べてくれた!!
うれしくて更に調子に乗りそうだったけど、また吐かせてしまったら大変なので、この辺にしておく。
水はやっぱり飲もうとしない。スポイトで口のあたりに1滴だけ垂らしてみる。ペロッと舐めてくれたが、嫌々舐めた感じだったので、無理強いはやめる。
ひよりは、クローゼットに移動。ゆっくり眠りたい様子・・・そっとしておこう。
爪を研ぐ幸せ
少し外出して戻ってみると、ひよりはリビングにいる。
体調はどうかな?ブラシに誘ってみると気持ちよさそうに応じてくれた。
ブラシの後は久しぶりに爪とぎをした!ヨロヨロと腰をふらつかせながらも一生懸命に爪を研いでいる。時間をかけてゆっくりと、まさに”一生懸命”といった感じ。時折、爪とぎに体ごと持っていかれそうになりながら、一心不乱に頑張っている。
力いっぱい爪を研ぐ姿が嬉しくて、また特別な贈り物をもらった気持ちになった。
腰をフラフラさせながらも 爪とぎをする姿を見せてくれました。
水を飲む幸せ
夜、夫と2人で片付け物をしていると、「何してるの?」という様子でひよりがやって来た。しばらくお座りして私たちを眺める。
私たちの観察に飽きると、ひよりはゆっくりと水飲み場に移動して、水の入ったお皿をふんふんし始めた。そして・・・ペロッ。自分から水を飲んでくれた!
一口飲んだ後、ちょっと神妙な顔をして水をジッと見ていたが、ゆっくりと腰を落ち着けて 水を飲み始めた。時間をかけて たくさん飲んでいる。良かった・・・!
脱水症状を心配していたので、本当に安心した。やっぱり飲みたくなったらちゃんと自分から飲んでくれるんだ。本当に良かった。
水に続き、ウェットフードをペースト状にしたゴハンをあげてみると、ちゃんと食べてくれた。食べる量は少ないけれど、食べたいものを選んで きちんと食べてくれている。ひよりは自分の体の事をちゃんと分かっているんだね。
今日もまた特別な1日だった。爪とぎをして、水も飲んでくれた。ひざでくつろいで、ごはんも食べて…病気になる前は当たり前の幸せだったけど、今は特別な奇跡のような幸せ。
どうか、どうかこんな時間がずっと続きますように・・・。
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【後記】
この日はひよりが久しぶりに爪とぎをしてくれました。嬉しくて嬉しくて泣きながら動画を撮りました。文中の写真は動画を切り取ったものです。
手術をしてからというもの、ひよりは元気だった時のように、何気ない日常の行動を少しずつ見せてくれました。ご飯を食べてくれて、にゃーと鳴いて見上げてくれて、膝でくつろいでくれて、喉をゴロゴロ鳴らしてくれて、水を飲んでくれて、爪を研いでくれて・・・。「これが『幸せ』っていうんだよ」と私に教えてくれているようでした。
(’19.2.1)
【番外編】脳の中のバケツリレー ・・・昨日のこと ~そして反省。
いつも読んで下さりありがとうございます。
この日記風のブログも、ひよりの最後の日が近づくにつれ筆が遅々として進まず、最近は更新の間隔が広がりつつあります...。
今日は番外編として「脳の中のバケツリレー」という題のブログを更新しようとしていました。とーっても後ろ向きな内容です。
そんな時に、私のリスペクトする”きーちゃん(猫さん♂)”の飼い主さん、ひよ爺親方さん(id:chakibineo0316)のブログが更新されました。
ひよ爺親方さんは、「アニマルコミュニケーション」に精通していて、実際にその活動もされています。そんなアニマルコミュニケーションの様子を時々記事にされていて、今回 私が胸を撃ち抜かれたのは下記(飼い主Mさんと愛猫グレ君の巻)です。
自分のことと重ね合わせて胸にズドーンと来てしまい、最後まで涙ダラダラで読ませていただきました。
ひよりも私がこんなにドンヨリ後ろ向きな事ばかり考えていることを嫌がっているのかな・・・と。
そして、今日更新しようとしていた暗い記事は以下です。。。
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脳の中のバケツリレー
昨日、ダメな日がやってきました。ひよりが旅立ってから49日もとうに過ぎ、年も明けて4度目の月命日を過ごし「もう落ち着きつつある」と感じていた矢先、それはやってきました。
生理前でもないし、むしろ終わったばかりだし、ホルモンバランス的には落ち着いている時期のはずなのに。
何でもかんでも後ろ向きにしか考えられなくなるというか、頭の中が『オマエガ ワルイ』ばかりで満たされてしまうというか。ひよりに対する後悔や自責がわーっと押し寄せてくる感じ。
『苦い薬も、強制給餌も、バリウムも、ひよりのために と思って決断したこと全部がひよりを苦しめた。
私の判断もやり方も、全部がひよりを苦しめるものだった。
ひよりに嫌な思いをさせたのは私。
ひよりの人生の最後を辛いものにさせたのは私。
ひよりを死なせたのは私だ。』
という思いが突然、ざばーっ ざばーっとやって来るのです。
脳みその中で誰かが、バケツリレーをしていて、『スベテ オマエガ ワルイ』が入ったバケツの中身を次から次へとぶちまけてくるみたいです。
止めようと思ってもバケツリレーは次から次へと勝手にやってくる。ここ(ブログ
)で懺悔して許された気になるなよ、と。『オマエノ ツミハ キエナイ』と。
こうなったらもう、私はただただ 涙と鼻水を垂れ流して ティッシュペーパーと時間を無駄にするより他、なす術がありません。
私がそんな たいそうな存在ではないこと、ひよりの生死を、運命を、左右する力など私にあるはずが無いことも分かっているんですけど、なにかの拍子でバケツリレーはやってきて、中身をぶちまけ続けます。
これから先も、変な周期でこれはやって来て、我が家のティッシュペーパーは無駄に消費されるのでしょうかね。
いい歳になってもバケツリレーをうまく操縦する方法が分かりません。人間ていうのは厄介な生き物ですなぁ。
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以上、真っ暗な内容(+_+)
これ、ひよりの立場で見てみたら、たまらないですね。。。
がっつり反省し、タイトルに「~そして反省」が付きました。
「人間と動物の愛と絆は、時間や空間なんぞで隔てられたり、変わるもんではないよ。 そんなちっぽけな愛じゃないからね!」
愛するどうぶつ家族さんとお別れした方へ、魂のメッセージ! - Love of Cats 猫たちからのギフト
なんでアタシはそんな簡単なコトに気づけないんだろうね。
ひよちゃんごめん、いつまでたってもポンコツだよ。
「アンタほんとに困った人だね。」
神様がくれた1週間<4日目> ・・・’18.9.4のこと。
↓前回です。ひよりの最後の食事がバリウムになってしまったことを悔やむ私のために、ひよりが自らちゅーるを食べてくれました。
私を見上げる愛しい"ふわふわ"
起床すると、ひよりはリビングにいた。夜中のうちにおしっこが出ている。下痢をして以来、便は出ていない。尿をよくみてみと、ストルバイト結晶のキラキラは見えない。膀胱炎と診断されてから(副作用のため)薬も飲めなくてずっと気になっているけど、膀胱炎は治ったんだろうか?分からない・・・。
今朝も朝の支度中、リビングにいてくれた。ひよりのトイレの掃除をしていると、ひよりが「にゃー」と鳴きながら近づいてくる。ああ、ひよりが私を見て鳴いている。なんてかわいいんだろう。なんて幸せなんだろう。私の愛しいふわふわ。
トイレに入りたいのかと思い、掃除をさっさと済ませてひよりをトイレに入れてみる。
でも違ったようで すぐに出てきて、また私を見上げて「にゃー」と鳴く。ああ泣けるくらいかわいい・・・。元気だった時は当たり前の”かわいい”だったけど、今は神々しく、奇跡ように”かわいい”。ひよりが「にゃー」と鳴くことがこんなに有り難いなんて。
”お腹がすいた”の幸せ
もしかして、何か食べたいのかな?
”お腹がすいた”という感覚があること。なんて幸せなこと。
昨日と同じようにちゅーるを指に取って鼻に近付けてみる。ふんふん匂いを嗅いだ後、美味しそうに食べてくれた。嬉しくて次々と指に取って舐めさせる。昨日と同じくらいの量だから大丈夫だよね、と思った時、ひよりが軽くえづいた。
「しまった!」と思った時にはもう遅く、ひよりは弱々しくえづいて嘔吐してしまった。私が調子に乗ったせいだ。申し訳なくて謝りながら泣けてしまう。嘔吐の量は少なく、直径5センチくらいのを2度。黄色い胆汁らしきものが混じっていた。
少量だったけれど ひよりも久しぶりの嘔吐にショックを受けた様子で、テーブルの下にうずくまってしまう。このまま また悪い状態に逆戻りかとオロオロしてしまったが、夫が仕事に出かけるころには明るい表情になっていて、「ひより」の呼びかけに「にゃー」と答えてくれた。よかった…ビックリした。
「ひよちゃん、ひざ?」と誘うと乗りたそうに近付いてきてくれたので そーっと抱き上げ、今朝もひよりをひざに乗せて 夫に「行ってらっしゃい」をした。
ひざの上で「行ってらっしゃい」
近づく台風
ひよりは今日も体調は悪くなさそうで、リビングで過ごしてくれた。時折カリカリマシーン(自動給餌器)のところに行くので、食べたい気持ちがあるんだと思い、シーバスープをあげてみる。固形物はやっぱり嘔吐が心配。スープならと思い準備する。
ひよりはふんふんした後、少しだけ飲んでくれた。
今日は台風が接近する予報。風の音が激しい。ガタガタする音にひよりと2人でビクビクしながら過ごす。このガタガタがひよりのストレスになりませんように・・・。
ひよりは世界一のビビリ。風の音がガタガタいうたびに、耳をピクピクさせて目をまんまるにして辺りを見回し、体を硬くする。ひより大丈夫だよ。家の中にいれば安心だからね。
台風が直撃しないうちに買い物を済ませなければ。ビクビクしているひよりを一人で留守番させるのは心配だったが、急いでスーパーに行くことにした。
期待のちゅーる
スーパーで「総合栄養食 まぐろ 海鮮ミックス味」と、「 エナジーちゅ~る まぐろ 海鮮ミックス味 」を見つけて購入。ひよりはちゅーるが大好きだし、これで栄養やカロリーが取れるならバンバンザイ!!
大きな期待をかかえながら急いで帰宅し、早速ひよりに総合栄養ちゅーるをあげてみると・・・食べない。じゃあエナジーちゅーるはどうだろう・・・食べない。
どうやら今までのちゅーるとは味が違うようだ。栄養やカロリーが取れる!と期待が大きかっただけにがっかりした。
そろそろ水も飲んでくれないと脱水症状が気になる。ブドウ糖入りの水をすすめてみても、ひよりは顔をそむけてしまって飲む気はない。残念…だけど無理強いはしない。ひよりが飲まないってことは、きっと ひよりにとって必要が無いってことなんだ。
夕方、ひよりが甘えたい様子だったので、 ソファに座ってひざに誘うと自分から乗ってきてくれた。体力のない体で自分からソファに飛び乗ってまで、甘えたいと思ってくれたんだ・・・。もう何もかもが奇跡に思えて胸がいっぱいになる。
そのまま長い時間を過ごした。ソファを立つ時はひよりを抱っこして移動。ずっと一緒にくっついて過ごした。
ソファに乗ろうとしているひより
カレーの匂いが好き
夫が帰宅した時、物音に驚いたのか ひよりはクローゼットに移動。しばらく閉じこもっていたが、作っていたカレーの匂いにつられて出てきた。ひよりはカレーの匂いが好き。もちろん食べることは無いが、カレーの匂いにはマタタビに似た反応をする。元気だった時と同じ反応をしてくれることが嬉しい。
食べたい気持ちはある様子で、カリカリマシーン(自動給餌器)の自分のお皿を見に行ったりしているので、ちゅーるやシーバ、きゅうりなどを用意して並べてみるが、何も食べなかった。
もしかしたら、夜中のうちに何か食べたくなるかもしれない。
今夜は、ちゅーるやきゅうりの他にシーバスープ、あとはウェットフードをすり鉢でペースト状にしたものなど、いくつか用意して眠ることにした。
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【後記】
この日、吐いてしまったひよりを見て、また吐き気の日々が戻って来てしまった、薬の日々が戻って来てしまった…と思い愕然としました。その吐き方も弱々しくて、体に力が残っていないような印象で とてもショックな光景でした。ひよりもショックを受けた様子を見せていて、そのことにも落ち込みましたが、その後すぐに穏やかな時間が戻って来て、ああ まだ神様はひよりを見捨ててない...と、ホッとしました。
下痢をして以来、うんちは出ていませんでした。バリウムが出ない事を心配していましたが、手術後の下痢の写真をもう一度見直してみると(病気が分かってから、うんちの写真は毎回撮るようにしていました。) 茶色に白が混ざったような色でした。きっとこれがバリウムなのだろうと思います。人間みたいに分かりやすく白いものではありませんでした。。。
(’19.1.17)