そばにいさせて ・・・’18.9.9のこと。
↓前回です。ひよりの体調は一気に悪くなりました。何も出来ない役立たずの私はオロオロするばかりでした。
押し入れの中で夜を明かす
朝6:00頃目が覚める。
ゆうべ押し入れにこもってしまったひよりが心配で、ろくに眠れずに過ごした。明け方にウトウトしたけれど、それまでにひよりが押し入れから出てきた気配はない。
起きてリビングに行ってみると、ひよりの姿はない。まだ押し入れの中にいるのかな?
押し入れの戸は常に開けっぱなしだが、反対側の戸を開けないとひよりの姿は見えない。
開けてみるのが なんだか怖い。
その前に、ひよりのいそうなところ...クローゼットやテーブルの下などを見てみる。
やっぱりいない。まだ押し入れの中にいるんだ。
夫もいつの間にか起きていて、「ひよちゃんは?」と聞く。
私が何も答えないでいると、夫が押し入れを開けた。すると・・・
うつろな目をしたひよりがこちらを見ていた。
心底ほっとする。
ひよりがそこにいて呼吸をしてくれている。良かった・・・。体から力が抜けるのが分かる・・・。
夜中のうちに吐いた形跡はない。ゆっくり眠れただろうか。
でも、ずっと押し入れにいたんだね。こんな狭くて暑いところに。
暑いだろうと思い、ひよりのいる場所の戸を少し開けておくと、しばらくしてひよりが出てきた。
トイレに向かう様子。
トイレに入ってしばらくしても出て来ないので見に行くと、中でうずくまっていた。
トイレの中で吐いてしまったようだ。触れて欲しくないようだったので そっとしておく。
その後、ゆっくりとそろそろ出てきてクローゼットへ向かった。
ゆっくり休みたいのだろう。付いて行ってみたが声を掛けたりはせず、ひよりが定位置で横になるのを見届けてリビングへ戻った。
ひよりは夕方までのほとんどをクローゼットで過ごした。
吐き気は今日も止まらない
夕方 様子を見に行くと、クローゼットを出て寝室の床にうずくまっていた。
吐き気があるのだろう。床のところどころにヨダレのような跡がある。
昨日、吐き止めと一緒に胃酸止めも飲ませなかったことを後悔。
今日は吐き止め薬(セレニア)と一緒に胃酸止め薬(ファモチジン)も飲ませることに。
吐き気があるらしいひよりに薬を飲ませるのは躊躇する気持ちもあったけど、このまま具合が悪い状態を見ているだけよりは、薬で体調が良くなる可能性にかけようと思った。
薬と水の準備をして、嫌がるひよりを膝の間に入れ、口を開けさせて薬を放り込む。
ひよりの喉をさすりながら「飲んでくれますように...。吐きませんように...。」と祈る。
ひよりはゴクンしたのかどうかも分からない。そのまま、しばらく神妙な顔をしてじっとうずくまっていたが、間もなく体を震わせて嘔吐。茶色がかった大量の液体を勢いよく吐いてしまった。
また自分の判断が間違っていた気がして泣けてしまう。
オロオロしながら、茶色く汚れたひよりの口元を拭こうとするも、ひよりはペロペロと舌を出しながら全身で拒否。また薬を無理やり口に入れられると思ったようだ。
全力で拒否するひよりの体力が心配で口を拭くことは諦めた。
ひよりにとっては、口元が汚れてしまった事より 私に何かされる事の方が嫌なんだ。
大量の嘔吐でスッキリしたのか、ひよりはリビングに移動し、ソファテーブルの下で横になった。
隙間に入りたい...?
21:00頃、ひよりが起き上がって移動するので見ていると、ソファと壁の隙間に入っていった。そんなところ、入った事もないのに・・・。
猫は最期の時が近づくと、狭いところに隠れたがると聞いたことがある。
ひより、そうなの?もうそんな時が来ているの?
私は少し離れたところで、泣きながら見守ることしかできない。
またひよりが移動する。
今度は窓際の近く、よりひんやりした場所。やっぱり狭いところに入って行く。
心配で心配で・・・でも何も出来なくて・・・。本当に私は何も出来ない役立たずだ。
しっぽの動きが心の支え
今夜は、こんなひよりを一人でリビングに残して眠ることはどうしても出来ない。
私の事が邪魔かもしれないけど、見守ることだけ許してほしい。ひよりの嫌がる距離には近づかないから、どうか今夜はそばにいさせて。
ひよりはカーテンの中に入って窓にくっついて寝ている。
私はソファで横になった。でも眠れるはずもなく、暗がりの中でカーテンの下から出ているひよりのしっぽをずっと眺めていた。
時折、「ひより」と声をかけると、しっぽを動かしてくれる。今はそのしっぽの動きだけが、それだけが私の心の支え。
夜中1:30頃、ひよりがカーテンの中から出て移動。少し歩くと立ち止まり、キッチン付近で吐いてしまう。その後クローゼットまでゆっくりと移動してまた嘔吐。2度とも茶色い液体だった。
クローゼットを掃除した後、ひよりを残してキッチンの掃除をしに行った。
ひよりがいない?!
掃除が終わり、ひよりの様子を見に戻ってみると、クローゼットにいたはずのいよりがいない。
気づかないうちにリビングに戻っているのかと 見に行ってみるが、やっぱり姿は見えない。
寝室の床やベッドの上を見てみてもどこにもいない・・・。
「ひよちゃん、どこ?!」
不安になり、夫を起こそうと寝室の明かりをつけた時、細長い鏡(姿見)の後ろから 茶色いしっぽの先が出ているのを見つけた。
・・・・・ほっとする。
「心配したよ、ひよちゃん」と声をかけると、しっぽの先を一度だけ ぱたりと動かしてくれた。
下から覗くかわいいしっぽ
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【後記】
この日は、ひよりが ”どうしても狭いところに入りたがる” という、今までにない行動を始めた日でした。 普段は見向きもしなかった狭い隙間に入って じっとしているひより・・・。それを見付けた時の衝撃は忘れられません。もう ひよりが 私たちから離れていこうとしている・・・そう思わずにはいられませんでした。「そばにいたい」という私の願いも、ひよりにとっては迷惑でしかない、そう思い知らされた日でもありました。
この後もひよりは色んなところに身を潜めて、私たちを動揺させます。
(’19.2.23)