こころの穴は ねこのかたち。

猫のこと。日々 思うこと。~愛猫ひよりの病気のはなし~

【番外編】どうしても伝えたくなったこと。

こんにちは。ちゃとらです。

今日はいつもの日記ブログをお休みして、番外編をお送りしたいと思います。しばしお付き合いいただけると嬉しいです。

 

少し前に、「脳の中のバケツリレー」という記事を書きました。

chatorajirushi.hatenablog.com

 とーっても後ろ向きな内容でした。

次々と襲ってくる後悔や苦い記憶が次々とぶちまけられるみたいな状態を、私は「誰かがバケツリレーしているみたいだ」と書きました。

「ああ、ここでひよりは倒れたんだ」とか、「ここで強制給餌をしたんだ」とか、「あの時、私のせいでひよりを辛い目に合わせた」とか・・・突然 悪いことばかりを思い出してしまって、次から次へとマイナスな記憶ばかりが ざばーっと押し寄せてくる感じ。もーどうにもこうにも自分では止められないあの感じ・・・。

あの後もやや弱めのバケツリレーがやって来ることがあるんですが、今はあの時ほど重症にはならず、ティッシュペーパー10枚くらいの消費で済んでいます。

・・・というのも、皆さまのお力が とてもとても大きいのです。

あのブログを書いたとき、こんなに腐った精神状態の私を 皆さまはちゃんと受け止めて下さり、一緒に泣いて下さり...、私のために急いでご自身のブログを更新して下さり...本当に嬉しかったです。ありがとうございました。 

 

そして、”手をギュー”してもらって、ふんわり抱きしめてもらって、背中ポンポンしてもらって、大丈夫大丈夫ってしてもらって、「ほら、あっちが未来だよ。ちゃんと笑える日が来るよ。」って教えてもらいました・・・(*ノωノ)泣。

ここはなんて優しく温かい場所なんだろう…、なんて大きな素敵な人たちなんだろう…と心から思いました。

もしかしたら、ひよりが「ここに来たら(ここでブログを始めたら)優しい人たちに出会えるからね。ポンコツでペラッペラのアンタも元気が出るからね。」って導いてくれたのかも知れません。

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「アンタも ここでブログってのを やったらいいよ。」

 

今の私は、”バケツリレー”のコントロール方法を身に付けつつあります。もちろん、今後もひよりを思う時は、後悔や辛い気持ちもやって来ると思うけど、でも、他にもたくさんある大切な事を一緒に思い出すことが出来るようになりました。

幸せな大切な思い出がたくさんあること、そしてそれこそが、後悔を忘れないことよりも 何よりも一番大事なんだということに、皆さまが気づかせて下さいました。

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「”雨降り地区”はもうたくさんだよ。」

 

ここでブログを始めて、辛い涙だけじゃなくて嬉しい涙もたくさんたくさん流れます。

この気持ちをお伝えする言葉が見つからなくて、月並みな言葉になってしまうんですが・・・

皆さま ほんとうにありがとうございます。

今日は、このことをどうしてもお伝えしたくなり、番外編をお送りすることと相成りました。。。

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 「うちのポンコツをこれからもよろしくお願いします。」

 

大好きな皆さまへ。伝えきれなくてもどかしい、たっくさんの感謝をこめて。

あなたの ちゃとらより。

(’19.3.25)

自宅での輸液を決意 ・・・’18.9.12のこと。

 ↓前回です。ひよりは洗濯機の中で就寝しました。
chatorajirushi.hatenablog.com

 

洗濯機の中でおはよう

起きてみると、ひよりは昨夜と同じように洗濯機の中にいた。

「おはよう、ひよちゃん。」

声を掛けると、洗濯機の中で私を見上げる。落ち着いている様子。ゆうべ静かに眠れたのかな。洗濯機のまわりに水を準備して寝たけれど、夜の間に水を飲んだ様子はない。

自分で出ようとするのをしばらく待ってみたが・・・出てこない。そろそろ水を飲んで欲しかったので、洗濯機から出して抱っこで洗面台に乗せた。

昨日ここで水を飲んでくれたから期待して水を出してみたが、舌を出してペロペロする仕草だけで実際に飲むことは無かった。舌を出すということは、飲みたいのに飲めないということなのか。。。

 

久しぶりの・・・!

ひよりのトイレをチェック。

夜のうちにうんちが出ている!(...ということはいったん洗濯機を出てトイレを済ませてまた洗濯機に入ったんだ。洗濯機、気に入ったんだね。)

久しぶりのうんちにビックリする!小指ほどの大きさで、溶けたチョコレートみたいに柔らかい。うんちが出るということは、腸はまだ塞がっていない??腸が塞がらないうちは、栄養さえ摂れれば体力を付けられるんじゃないかな?少し期待してしまう。。。 

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ベランダで靴の上に乗っかって くつろぐひより。

自宅での輸液を決意

ひよりがリビングで嘔吐。体調は昨日と変わらない。ステロイドを飲んでも劇的に体調が良くなるわけではないし、期待した副作用の「多飲」も見られない。これはもう輸液をするしかないのかな。

昨日、動物病院の主治医の先生がお休みだったので、輸液については聞くことが出来なかった。今日はいらっしゃるとのことなので、早速電話してみた。

先生は、開口一番「輸液でしょ。家で出来るよ。」と、いつものように前置きもなくおっしゃった。昨日の女性の先生から全部話を聞いているらしく、ありがたかった。

自分で輸液をすることに不安でいっぱいだった私は、電話でその不安を解消しておきたかったのだが、そんな私の気持ちをよそに話はどんどん進んだ。

ひよりを連れていくわけにはいかないので、病院で実際の輸液を体験できないことも不安・・・。それでも先生は「大丈夫!」とおっしゃり、すぐにその日のうちに輸液のレクチャーを受けに行くことになった。

 

ひよりに針を刺すなんて・・・!

仕事が休みだった夫と一緒にレクチャーを受けることに。

輸液バッグの扱い方、チューブに液を満たして空気を抜く方法、針を刺す位置、皮膚のつまみ方、針の刺し方・・・等々

たくさん質問をしながらしっかりレクチャーを受けた・・・が、やっぱりひよりに針を刺すなんて・・・、と躊躇する気持ちが・・・。

すると先生は「私もそうです」とおっしゃった。「私は仕事だからブスっと針を刺すけれど、もしそれが自分の愛猫だったら色んな感情が沸いて躊躇なく針を刺すことは出来ません。それが普通です。」と。

そしてアドバイスをくれた。

「針を刺される」という違和感に敏感になる猫さんが多いので、先生は、針を刺す時、首の後ろをちょっとつねりながら刺すとのこと。そうすると、つねられたことに気を取られて、針が刺さったという違和感から猫さんの気をそらすことが出来るのだそう。

「針を刺す」という一番緊張する場面についてのアドバイスに少し安心できた。

 

夫の自信と一抹の不安

輸液バッグには、抗生剤とステロイド、そして吐き止め薬のセレニアも一緒に入れてもらえることになった。これで無理やり錠剤を飲ませることも無くなり、ひよりのストレスが一つ減る。ひよりが輸液を嫌がらずに受けてくれればこんなに良いことはない。

輸液バッグとチューブ、針、アルコール脱脂綿を受け取り帰宅した。

自分で針が刺せるかどうか、チューブからうまく空気を抜くことができるかどうか、そして何よりひよりに苦痛がないかどうか・・・グルグル考えてしまって落ち着かない気持ちで過ごしたが、なぜか夫は自信満々。「不安なら俺がやる。俺は出来る。」と言っている・・・一抹の不安。

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いよいよ輸液

帰宅してみるとひよりはキッチンの奥で寝そべっている。こんな場所で寝た事ないのに。吐き気も見えず落ち着いているようなので、自分たちの夕食を済ませた。

落ち着かない夕食を終えて、いよいよ輸液。

ひよりは見慣れない輸液セットを見て警戒している。抱き上げて、準備しておいたダンボールの中へ。よかった、じっとしている。

私が輸液バッグを持ち、夫が自信満々に針を持つ。まずはひよりの肩甲骨の間をつまんでちょっとつねるくらいの力を入れて皮膚を引き上げ、45度くらいの角度で針を刺す。ひよりは針を刺す時も無反応だった。針の痛みは感じていないようす。ひとまず針はちゃんと皮膚と筋肉の間に入ったようだ。

ダイヤルを回してロックを外し、輸液を流し込む。

うーん、なかなか液が落ちていかない。なんだか想像していたのとは違う。輸液はスローモーションみたいにゆっくりゆっくり落ちていく。

以前病院で先生に輸液をしてもらった時は10分くらいで終わったのに・・・何がいけないんだろう。。。

30分くらいたったかなぁ...20mlくらい入ったところでひよりがモゾモゾ動き出し針が抜けてしまった。ごめんね。今までじっと我慢していたんだね。

小さな小さなラクダのコブがひよりの背中に出来ている。ほんの20mlだけど、ちゃんと輸液は入っている。今日のところはこれで良しとしよう。

「ひよちゃん、お疲れ様。頑張ってくれてありがとうね。」

 こうして、今日から1日150mlの輸液を目指して ひよりと一緒に頑張ることになった。 

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 【後記】

輸液については実際の猫さんで練習してみるわけにもいかないので、話を聞くだけでは不安でたまりませんでした。「コワイ、コワイ」と繰り返していると、先生が「鶏のむね肉で練習してみるといいよ。」と教えてくれて、練習用に針を1本くださいました。鶏肉の皮のある側から針を刺す感覚が、輸液の時の感覚に似ているから、と。私と夫は帰りに早速鶏むね肉を買って、何度も練習を重ねてからひよりの輸液に臨んだのでした。

この日の輸液は、1度目に針が抜けてしまった後 再度チャレンジしましたが、2度目はつまんだ皮膚を突き抜けて針先が外に出てしまったようで、ひよりの背中がびしょびしょになっただけで終了しました。1時間くらい輸液に悪戦苦闘して、結局20mlしか入りませんでしたが、「今のひよりは口からだったら20mlも飲めないよね」と思い、私はヨシとしたのでした。

ですが、夫は違いました。輸液する前の夫の自信満々ぶりに一抹の不安を感じていた私でしたが、その不安は的中しました。自信満々だったのに20mlしか輸液できなかったことに夫はすっかり自信をなくして拗ね倒し、翌日から針を刺すのは私の役目となったのでした。

 

 <通院の覚え書き>

・輸液(リンゲル液)、抗生物質(ERFX)、ステロイド(Pred)、吐き止め薬(セレニア) ¥3,000-

・輸液ライン ¥1,000-

・21G注射針(¥100×4本) ¥400-

(’19.3.20)

 

ひよりの望むように ・・・’18.9.11のこと。

 ↓前回です。ひよりのガンは腸腺がんであることが分かり、ステロイド剤で症状を和らげることになりました。

chatorajirushi.hatenablog.com

 

 「点滴をすればもう少し長く・・・」

今朝はひよりが口を”くちゃらくちゃら”させる音で目覚めた。以前までの”くちゃくちゃ”とは違い、舌を出して”くちゃらくちゃら”させるようになった。

よだれが口から垂れ下がっている。口元をティッシュで拭くと嘔吐してしまった。やはり触ると嘔吐を誘発させてしまうようだ。

ひよりは玄関の靴箱の下が気に入ったようで、冷たい床に横たわっている。最近ひんやりした所にいることが多くなった。このまま体温が下がってしまうのではと不安になる。

昨日、先生から言われた「点滴をすればもう少し長く生きられるかも・・・」という言葉がずっと気になっている・・・。長く生きられても、辛い時間が長くなるだけなのは嫌だ。少しでも長く一緒にいたいと思うのは きっと私のわがままだし、長く生きてほしいと思うのは自己満足でしかないんだろう。

ひよりが一番望んでいることはなんだろう?ひよりはどうしたい?

そればかりを考えるが、答えは出ない。

狂ったようにネットで色々調べる。最期の時までどうやって過ごすのが、ひよりにとって一番いいのか。

ネットによると、腎不全の猫さんは自宅で皮下輸液を行っているらしい。ひよりも自宅で輸液をしてあげれば楽に過ごせるんだろうか。それとも、ひよりにとっては辛い時間を長引かせるだけなのかな。

調べても調べてもやっぱり答えは出ない・・。

 

困った時の先生頼み

悩んでいても答えは出ないので、先生に電話で相談してみることに。(結局すぐに先生に相談してしまう。先生だってひよりが望んでいる事なんて分からないだろうに。先生いつもごめんなさい。)

電話に出たのは看護師さん。今日は主治医の院長先生はお休みだそうで、代理の女性の先生が電話を代わって下さった。

皮下輸液のことなどを聞いてみたが、『主治医ではないので』という理由で明確な回答はもらえなかった。

 そりゃそうだよね・・・。

今日のところは、大変でもステロイドを飲ませることに専念してほしい、とのこと。

ステロイドは嫌な味はしないはずなので(女性の先生はそう言ったが私が舐めてみたところけっこう苦かった!)、すりつぶして砂糖水に混ぜてシリンジで飲ませると良いと教えてくれた。そうか、砂糖水か。昨日の投薬の失敗を引きずっていた私は少し勇気をもらった。

 

 「にー」

昼過ぎころ、ひよりが起きてリビングに出てきた。キッチンに立っていた私のところへ来て小さく小さく「にー」と鳴いた。うっかりしたら聞き逃してしまう程小さな声だったけど、私を見あげて鳴いてくれるなんて・・・かわいくて嬉しくて涙ぐんでしまう。

「ひよちゃん、なあに?」何か伝えたいのかな。嬉しい気持ちが抑えられずにそっと抱っこ。すると すぐにえづき始め少しだけ嘔吐してしまった。また余計なことをしたね。こういうところだよ、ダメな私。もう自分が嫌になる...ごめんね、ひより。 

ひよりは少し落ちついた様子でベランダを眺め始める。何か興味深いものを見つけたようで、外の景色を熱心に眺めている。

今のうちにステロイドを飲ませようと思い、不意打ちで口を開けてホイッとステロイドを放り込んでみた。すぐにスポイトで水を少量流し込む。ひよりは不意を付かれたようでゴクンと飲んでくれた。

 

初めての体験

これで嘔吐がなければいい。見守りながらひよりと一緒にベランダを眺めて風にあたる。ひよりはベランダに出たがっている様子。網戸のふちに手を掛けて開けるような仕草をする。今まではベランダ禁止にしていたけど、ひよりのしたいようにさせてあげたい。ひよりの望むように過ごしてもらうこと。それが私にとっても一番の望み。

「いいよ、ひより。ベランダに出てみよう。」

私はベランダへ続く窓をゆっくりと開けた。ひよりはしばらく遠い目をして風にあたりながら外を眺めていたが、意を決したようにそろそろとベランダに出て行った。ひよりが危なくないように目を離さずに付きそう。

そして、ベランダの水連鉢にいるメダカを覗きこむ。初めての体験。

泳ぐメダカを興味深そうに見ている。

しばらく眺めた後、そろそろと手を出して水面に浮かぶ水草をちょいちょいする。メダカ達は初めて覗く猫にびっくりした様子でさっさと下の方に避難済みだ。ひよりの遠慮がちな”ちょいちょい”がかわいい。 

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ベランダを眺めて風にあたるひより。痩せちゃったね...。

意外なところで就寝

ステロイドが効いているのか(ステロイドの副作用に「多飲」があるそう。)ひよりは少しだけ水を飲むようになった気がする。

洗面台に乗るので、蛇口をひねって水を出してあげると、洗面台にたまった水を飲んだ。このまま順調に水分を摂ってくれれば輸液も必要ないかも知れない。淡い期待。

洗面所のひんやりした床で横になるようなので、そっとしておこうとそばを離れると、間もなくゴトンガシャンと大きな音。

びっくりして洗面所に行ってみると、ひよりは洗濯機の中にいた。洗濯機に乗れるなんて…とビックリしたのと、洗濯機の中で私を見上げるひよりがかわいいくて、夫と2人で笑ってしまう。ステロイドが効いて体が楽になったのか、水分を摂れて元気が出たのか・・・。

危なくないように、洗濯機のコンセントが抜いてあることを確認し、蓋が閉じてしまわないよう固定して、今夜は洗濯機の中のひよりに「おやすみなさい」を言った。

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【後記】

ひよりには この時すでに背中の皮膚をつまむと なかなか元に戻らないなど、もう脱水症状の兆しがありました。

この日、私は女性の先生にもうひとつ質問をしています。『個人的な意見でかまわないので』と前置きをしたうえでの質問でした。

「ひよりが最期を迎えるにあたって、輸液をしないで脱水症状で亡くなるのと、輸液をしつつ がんの進行や衰弱などによって亡くなるのとどちらが苦しくないと思いますか?」

この問いに女性の先生は悩んだ様子でしたが、「脱水症状は、めまいや吐き気もあるだろうし、痙攣も起こる可能性がある。それは辛いんじゃないかな・・・。」と答えてくれました。

それを聞いて、私はなんとなく心が決まった気がしたのでした。

 (’19.3.11)

「腸腺がんでした」 ・・・’18.9.10のこと。

 ↓前回です。ひよりは私たちを避けて、狭い隙間に身をひそめるようになりました

chatorajirushi.hatenablog.com

 

またもや行方不明

早朝4:00過ぎ、姿見の後ろにうずくまっていたひよりが、再び移動を始める気配が。

リビングに行ったのかな。しばらくして行ってみるがリビングに姿は見えない。押し入れかな?開けてみるがここにも姿はない・・・。

移動の気配は私の気のせい?再び寝室へ戻り、鏡の後ろやクローゼットの中を見る。

・・・いない。途方にくれる。

昨日うずくまっていた場所、狭い隙間をくまなく探す。やっぱりいない。

洗面所は扉が閉まっていたから入れないはず。念のため見る・・・やっぱり、いない。

もしかして玄関??行ってみる。

・・・いた!!

作り付けの靴箱の下、狭い隙間に寝そべっている。

「ひより、ここにいたの・・・心配したよ」

声をかけると目を細めてくれた。良かった、落ち着いている。

撫でてみると、いっそう目を細めてじっとしている。良かった・・・。

落ち着いているひよりを見て安心し、起床時間まで私はベッドで眠ることにした。

とはいえ、何か物音がする度にひよりの事が気になって様子を見に行ってしまう。ひよりは変わらず玄関にいて、私は安心してベッドへ戻る・・・。起床まで何度か繰り返してしまった。

朝6:00頃ウトウトして目を覚ます。ベッドの中で耳を澄ますと、ひよりが吐いているような気配が。急いで布団を出て玄関へ行く。

ひよりは靴箱の下を出て、冷たい玄関の床でうずくまっている。神妙な表情。

まもなくえづき始めてしまい、少量の嘔吐。透明の液体。しばらく神妙な顔でうずくまっていたが、落ち着いたのか移動を始めた。

どうやら押し入れに入るようす。ゆっくり休めるといい。

 

「やはり腸腺がんでした」

10:00頃、動物病院の先生から電話。

「病理検査の結果ですが、やはり腸腺がんでした」

いつものように前置きも無く先生が言う。検査結果が出るまでに結局10日かかった。先生は続ける。

「残念ですが、有効な抗がん剤はありません。」

私はもうがんの種類なんてどうでも良くなっていた。ひよりが穏やかに過ごせること、それだけを考えていた。抗がん剤なんて、もし有効なものがあったとしても今のひよりに病気と闘わせることなんて出来ない。

もう何の治療も望まないことを先生に告げて、以前まとめておいた質問事項を伝えた。

 

◆ひよりが辛そうな時、病院に連れて行かずに私が出来ることは何があるか。

ステロイド剤を飲ませる方法がある。嘔吐には効かないが、炎症を起こしているであろうがん細胞には効果があるので、その炎症の辛さは軽減できると思う。

ステロイド剤の副作用で食欲が出ることがあり、ひよりちゃんの場合、食べればまた嘔吐があるかも知れない。吐き止めのセレニアも効きにくくなっているから嘔吐に関しては何とも言えないが、がんの痛みにはよく効くので体はだいぶ楽になるはず。

 

これからどういう症状が出るか。

①腫瘍が破裂するようなら下血が考えられる。(現在ひよりが茶色い液体を吐く事があることを話すと)腸に出来たがんだと吐血は考えにくい。もし吐血があるなら別の原因。度重なる嘔吐で食道に炎症が起きていて出血している可能性もあるし、またはがんのストレスは相当なものだから胃潰瘍になっている可能性もある。

もし、嘔吐した茶色い液体が血液ではなく便だとしたら、腸が完全に塞がってしまっているということ。嘔吐物の匂いを確かめてみるといい。

②何も食べられず水も飲めず嘔吐が続くようなら、栄養失調や脱水症状が考えられる。がんが成長しなくても体力が落ちてくることにより徐々に歩けなくなったり等衰弱してくることが考えられる。

 

◆余命はどれくらいと考えればいいか。

上記の①が起これば今すぐにでも可能性がある。がんの状態を見ることが出来ないのでなんとも言えないが・・・。

上記の②ならば、今後の食欲や嘔吐の状態によっても変わってくるが1週間前後と覚悟してほしい。 もし、点滴に通うことが出来ればもっと長い可能性もあるが、こればかりは本人(ひより)の体力によって大きく変わるので何とも言えない。

 先生の回答は以上。まずは、ステロイド剤をすぐに受け取りに行くことを伝えて電話を切った。

点滴をどうするか...悩みどころ。でももう病院に連れていく気はない。

ひとまずステロイド剤をもらって飲ませてみて、その後のことはそれから考えよう。

 

病院にステロイド剤をもらいに行き急いで家に帰ってみると、ひよりはまだ押し入れにいた。

落ち着いているようなので、嘔吐で汚れた鼻のところだけおしぼりで拭いてみた。口元を拭こうとすると、薬を飲ませる時みたいに舌をペロペロさせて嫌がるのでやめておく。

今は落ち着いているようなので、ステロイドは夫が帰宅してから飲ませるかどうか考えよう。

 

金魚鉢がお気に入り

洗濯物を干していると、ひよりが押し入れから出てきてベランダを眺めている。

ベランダを眺めるなんて何日ぶりだろう。ビックリしてしまう。体調がいいのかな。窓を開けてあげると気持ち良さそうに外の風にあたっている。

メダカ用に水を溜めておいた丸い金魚鉢に興味があるようなので、近づけてみると金魚鉢の中に頭を入れて水を飲んだ。

久しぶりに自分で水を飲んでいる。嬉しくて新鮮な水を別の器に用意したが、ひよりは金魚鉢がお気に入りのようで、しばらく頭を入れて水を飲んでいた。

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 写真は子猫の頃のひより。この金魚鉢に頭を突っ込んで久しぶりに水を飲みました。

 

ステロイド剤を試みる

夫が帰宅して、いよいよステロイドを飲ませることに。薬とスポイトに入れた水、温かいおしぼりを準備する。

夫にひよりの体をおさえてもらい、私がひよりの口を開けて薬を放り込もうとするも、ひよりは必死の抵抗。

どんどん薬の拒否が上手になる。ひよりは手を使って薬を払い落そうとし、ブンブンと首を振り、私の指を噛み、全力で抵抗する。

2度挑戦するも、2度とも失敗。くたくたになる。ひよりもくたくた。こんなに抵抗する力があることを喜べばいいのか・・・。でもそれ以上に、抵抗することに体力を使い過ぎてしまっている気がして、私も夫も落ち込みが止まらない。

今日はステロイドは諦めることにした。

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【後記】

ステロイドを飲ませるのを失敗した後、私と夫は大喧嘩をしました。二人とも、ひよりに余計な体力を使わせてしまったことが申し訳なくて、結局 薬を飲ませることが出来なかったことが残念で 各々で自分を責め、ぶつけどころのない気持ちをお互いにぶつけてしまったのでした。

夫は「ひよりにこんなに嫌な思いをさせて、もしこのままひよりにもしもの事があったら、俺はひよりにとって嫌な人間で終わるじゃないか。」と言い、私は「そんな事、私は毎日毎日考えている。それでも、今ひよりが楽でいられればと思ってお世話をしているんだ。たまにしかお世話しないのに自分だけ辛い目に合ってるみたいな顔をしないで。」と言い返しました。

ひよりは私たちのケンカが大嫌いなのを分かっていたのでヒソヒソ声でケンカしましたが、ひよりにはきっとバレバレだったと思います。今でも大きな反省事項です。

(’19.3.4)

 

<通院の覚え書き>(飼い主のみ病院へ)

9/10 プレドニン5mg(ステロイド剤) 4錠(4日分) ¥430-

   (ひより体重 2.7kg)

 

そばにいさせて ・・・’18.9.9のこと。

 ↓前回です。ひよりの体調は一気に悪くなりました。何も出来ない役立たずの私はオロオロするばかりでした。

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押し入れの中で夜を明かす

朝6:00頃目が覚める。

ゆうべ押し入れにこもってしまったひよりが心配で、ろくに眠れずに過ごした。明け方にウトウトしたけれど、それまでにひよりが押し入れから出てきた気配はない。

起きてリビングに行ってみると、ひよりの姿はない。まだ押し入れの中にいるのかな?

押し入れの戸は常に開けっぱなしだが、反対側の戸を開けないとひよりの姿は見えない。

開けてみるのが なんだか怖い。

その前に、ひよりのいそうなところ...クローゼットやテーブルの下などを見てみる。

やっぱりいない。まだ押し入れの中にいるんだ。

夫もいつの間にか起きていて、「ひよちゃんは?」と聞く。

私が何も答えないでいると、夫が押し入れを開けた。すると・・・

うつろな目をしたひよりがこちらを見ていた。

心底ほっとする。

ひよりがそこにいて呼吸をしてくれている。良かった・・・。体から力が抜けるのが分かる・・・。

夜中のうちに吐いた形跡はない。ゆっくり眠れただろうか。

でも、ずっと押し入れにいたんだね。こんな狭くて暑いところに。

暑いだろうと思い、ひよりのいる場所の戸を少し開けておくと、しばらくしてひよりが出てきた。

トイレに向かう様子。

トイレに入ってしばらくしても出て来ないので見に行くと、中でうずくまっていた。

トイレの中で吐いてしまったようだ。触れて欲しくないようだったので そっとしておく。

その後、ゆっくりとそろそろ出てきてクローゼットへ向かった。

ゆっくり休みたいのだろう。付いて行ってみたが声を掛けたりはせず、ひよりが定位置で横になるのを見届けてリビングへ戻った。

ひよりは夕方までのほとんどをクローゼットで過ごした。

 

吐き気は今日も止まらない

夕方 様子を見に行くと、クローゼットを出て寝室の床にうずくまっていた。

吐き気があるのだろう。床のところどころにヨダレのような跡がある。

昨日、吐き止めと一緒に胃酸止めも飲ませなかったことを後悔。

今日は吐き止め薬(セレニア)と一緒に胃酸止め薬(ファモチジン)も飲ませることに。

吐き気があるらしいひよりに薬を飲ませるのは躊躇する気持ちもあったけど、このまま具合が悪い状態を見ているだけよりは、薬で体調が良くなる可能性にかけようと思った。

薬と水の準備をして、嫌がるひよりを膝の間に入れ、口を開けさせて薬を放り込む。

ひよりの喉をさすりながら「飲んでくれますように...。吐きませんように...。」と祈る。

ひよりはゴクンしたのかどうかも分からない。そのまま、しばらく神妙な顔をしてじっとうずくまっていたが、間もなく体を震わせて嘔吐。茶色がかった大量の液体を勢いよく吐いてしまった。

また自分の判断が間違っていた気がして泣けてしまう。

 

オロオロしながら、茶色く汚れたひよりの口元を拭こうとするも、ひよりはペロペロと舌を出しながら全身で拒否。また薬を無理やり口に入れられると思ったようだ。

全力で拒否するひよりの体力が心配で口を拭くことは諦めた。

ひよりにとっては、口元が汚れてしまった事より 私に何かされる事の方が嫌なんだ。

大量の嘔吐でスッキリしたのか、ひよりはリビングに移動し、ソファテーブルの下で横になった。

 

隙間に入りたい...?

21:00頃、ひよりが起き上がって移動するので見ていると、ソファと壁の隙間に入っていった。そんなところ、入った事もないのに・・・。

猫は最期の時が近づくと、狭いところに隠れたがると聞いたことがある。

ひより、そうなの?もうそんな時が来ているの?

私は少し離れたところで、泣きながら見守ることしかできない。

またひよりが移動する。

今度は窓際の近く、よりひんやりした場所。やっぱり狭いところに入って行く。

心配で心配で・・・でも何も出来なくて・・・。本当に私は何も出来ない役立たずだ。

 

しっぽの動きが心の支え

今夜は、こんなひよりを一人でリビングに残して眠ることはどうしても出来ない。

私の事が邪魔かもしれないけど、見守ることだけ許してほしい。ひよりの嫌がる距離には近づかないから、どうか今夜はそばにいさせて。

ひよりはカーテンの中に入って窓にくっついて寝ている。

私はソファで横になった。でも眠れるはずもなく、暗がりの中でカーテンの下から出ているひよりのしっぽをずっと眺めていた。

時折、「ひより」と声をかけると、しっぽを動かしてくれる。今はそのしっぽの動きだけが、それだけが私の心の支え。

夜中1:30頃、ひよりがカーテンの中から出て移動。少し歩くと立ち止まり、キッチン付近で吐いてしまう。その後クローゼットまでゆっくりと移動してまた嘔吐。2度とも茶色い液体だった。

クローゼットを掃除した後、ひよりを残してキッチンの掃除をしに行った。

 

ひよりがいない?!

掃除が終わり、ひよりの様子を見に戻ってみると、クローゼットにいたはずのいよりがいない。

気づかないうちにリビングに戻っているのかと 見に行ってみるが、やっぱり姿は見えない。

寝室の床やベッドの上を見てみてもどこにもいない・・・。

「ひよちゃん、どこ?!」

不安になり、夫を起こそうと寝室の明かりをつけた時、細長い鏡(姿見)の後ろから 茶色いしっぽの先が出ているのを見つけた。

・・・・・ほっとする。

「心配したよ、ひよちゃん」と声をかけると、しっぽの先を一度だけ ぱたりと動かしてくれた。

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下から覗くかわいいしっぽ

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【後記】

この日は、ひよりが ”どうしても狭いところに入りたがる” という、今までにない行動を始めた日でした。 普段は見向きもしなかった狭い隙間に入って じっとしているひより・・・。それを見付けた時の衝撃は忘れられません。もう ひよりが 私たちから離れていこうとしている・・・そう思わずにはいられませんでした。「そばにいたい」という私の願いも、ひよりにとっては迷惑でしかない、そう思い知らされた日でもありました。

この後もひよりは色んなところに身を潜めて、私たちを動揺させます。

(’19.2.23)

役立たずの私 ・・・’18.9.8のこと。

 ↓前回です。ひよりとブラッシングタイムを楽しんだり、夫のオナラにビックリする可愛いひよりを見ることが出来たり...穏やかに過ぎる時間は手術からちょうど一週間だけの期間限定でした。

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 今日も穏やかな一日でありますように・・・

夜中にトイレの音がした。

早朝には爪とぎの音も。

その音を聞きながら「今日も穏やかな時間が過ごせますように・・」と、布団の中で神様にお願いをした。

爪とぎが終わると、ひよりはすぐに寝室へ戻ってきた。

昨日と同じように「ひより」と声をかける。ひよりはしっぽを立ててくれたようだが、昨日ほどピンと立っていないことに少し不安になる。

「ひよちゃん?」もう一度呼んでみると、ひよりは私の方を見て”くちゃくちゃ”のような仕草をした。

口を”くちゃくちゃ”させる仕草。吐き気がある時のサインだ。

急にザワザワと不安が大きくなる・・・。

ひよりはそのままクローゼットへ。一人でゆっくりしたいという意思を感じる。

  

 恐れていた嘔吐

ひよりはずっとクローゼットにいる。

14:00過ぎ、スイカの果汁を絞って、ひよりの様子を見にクローゼットへ。

イカを口元へ持っていくと、少しだけ飲んでくれた。飲みたい気持ちがあることに安心する。

だが、安心したのも束の間、ひよりが嘔吐した。

ごめんね、私が余計な事したせいだね。ごめん、ごめんね・・・。

私はオロオロするばかり。

その後も口をくちゃくちゃさせている。吐き気は治まらない様子。

吐き止め薬のセレニアを飲ませようとするも、全力で嫌がるので躊躇。

すると2度目の嘔吐。黄色い透明の液体。

ひよりは辛そうな様子で、落ち着く場所を求めるようにヨロヨロ歩き回る。

そして3度目の嘔吐・・・。

どうしよう、嘔吐が止まらない・・・。

 

何も出来ない役立たず

 私はどうしていいか分からず、泣きながらオロオロするばかり。

吐き止め薬を飲ませたいが、抵抗するひよりの体力が心配で、そして更なる嘔吐が心配で何も出来ない・・・。ダメな私。何の役にも立たない。

ひよりはテーブルの下で少しの間 横たわる。落ち着いたのかと思いきや4度目の嘔吐…。黄色い液体を少し。

この嘔吐の後、ひよりは私のことがうっとうしい様子でクローゼットへこもってしまう。私は何も出来ない役立たず。ひよりをそっとしておくことしかできない。他に出来ることが何も思いつかない。

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一日中ぐったりと横たわるひより...

大量の嘔吐

3時間ほどゆっくりと眠って、ひよりがクローゼットから出てくる気配。出て来てくれた事が嬉しくて急いで行ってみると、ひよりはすぐに立ち止まり えづき始めた。

力を入れて全身を震わせ、かつて無いくらいの激しいえづきの後、オロオロする私の前で茶色いような緑色のような液体を吐いた。

今までに見たことが無いくらい大量の嘔吐・・・。

ひよりも、自分が吐いた物の量に驚いたのか、しばらく嘔吐物を見て呆然としているかのように立ちすくんでいた。

ひよりの口も鼻も嘔吐物で茶色く汚れている。勢いよく吐いたから、きっと鼻からも嘔吐物が出てしまったんだ。鼻も痛いだろうに...。

鼻や口を拭こうとするも、ひよりはイヤイヤをする。仕方が無いので、汚れたままだけどそっとしておくしかない。私はとことん何もしてあげられない...。

 

吐き止め薬を飲ませる

もう辛そうなひよりを見ていられなくなり、嫌がられても薬を飲ませることにした。

一人でうまく飲ませられるか不安だったが、意を決して薬の準備をする。

嫌がるひよりの体を膝の間に入れて、右手に薬を持ち、左手でひよりの口を開けて、なるべく喉の奥に薬を落とす。急いでひよりの口を閉じて喉をさする・・・。

「ひより。頑張って飲んで!お願いゴクンして・・・!」

「・・・ゴクン」

ああっ、よかった!飲んでくれた・・・!

これで吐き気が治まればいい。でももし、もし治まらなかったら…?覚悟しなければいけない…?胸が詰まる…。

18:30頃、夫が帰宅。ひよりの様子を伝えると早めに帰ってきてくれた。

ひよりは私たちの寝室の床に転がるように寝ている。窓の下のフローリグが冷たくて気持ちいいのだろう。

吐き気は治まりつつある様子。薬が効いたんだ…。良かった。

もっと早く飲ませてあげればよかった。ごめんね、ひより。私の判断はいつも遅い。

 

私を避けるひより

22:30頃、寝室からひよりの吐いている気配がする。

行ってみると寝室の窓の下で吐いている。今日6度目の嘔吐だ。吐き止め薬を飲ませてから5時間程度。まだ薬がよく効いている時間のはず。ひよりはもう薬が効かない体なのかと思うとショックでたまらない。

 ひよりは私たちから逃げるように移動を始めたが、移動の途中でもう一度吐いてしまう。もう今日は7度目だ。

ひよりはよだれを垂らしながらクローゼットへ。薬の溶けた苦い胃液を吐いたからか、舌をずっとペロペロしている。

心配で見に行く私を避け、逃げるようにひよりはリビングへ。

舌をペロペロさせているひよりの口を拭いてあげようと、温かいおしぼりを作ったが、激しく嫌がって押し入れに入ってしまい、拭くことは出来なかった。

押し入れはひよりが一番落ち着ける場所だ。

ここへ入るという事は、もう放っておいてという合図。

心配でたまらないけど、こんなに私たちを避けているひよりを これ以上追いかけまわすことは出来ない。今夜は押し入れでゆっくり休んで欲しい。

「また明日ね」と挨拶をして、後ろ髪を引かれる思いで寝室へ引き上げた。 

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【後記】

この1週間、穏やかな時間を過ごしているうちに、もしかしたらこのまま、穏やかな時間をもうしばらく過ごすことが出来、そして眠るような理想的な最期を迎えられるんじゃないか・・・と思い始めていました。そんな時の急変。7回の嘔吐は想像以上で、何もしてあげられない自分が情けなくて、自分を責めて・・・ひよりから少し離れた場所で泣きながら謝り、見守ることしかできませんでした。

病院の先生からは「吐き止め薬を飲ませても効かなくなる時がくる」と聞いており、その時は覚悟をしましょうと言われていました。ですが、この日は覚悟なんてちっとも出来ていなくて、ただただオロオロするばかり・・・。先生に相談しようにも、「覚悟してください」と言われるのが怖くて電話も出来ず、結局ひよりのそばにいても何の役にも立たないクズ飼い主でした。。。

(’19.2.18)

 

神様がくれた1週間<7日目> ・・・’18.9.7のこと。

 ↓前回です。ひよりは大好物のスイカをおいしそうに食べてくれました。

chatorajirushi.hatenablog.com

 

爪研ぎの音

早朝、うっすら目が覚めてひよりのことをぼんやり考えていると、リビングの方から爪とぎをする音が聞こえる。

ああ、今日も爪を研ぐ力があるんだ、と安心する。

爪を研ぎたい気持ちがあることが嬉しくて鼻の奥がつーんと痛くなる。

ひよりは爪研ぎが終わるとすぐに寝室へ戻ってきた。

「ひよちゃん」と声をかけると、しっぽをピンと立ててくれた。でも一度もこちらを見ずにクローゼットの中へ。眠りたいんだね。

 

おはようの挨拶

起床時間になり、クローゼットのひよりに「おはよう」と挨拶すると、喉をゴロゴロ鳴らしてくれた。ひよりの『おはよう』の挨拶だ。

「ゆっくり眠ったらリビングに来てね。」と声をかけて朝の支度をしにキッチンへ。

夜のうちにおしっこが出ていた。おしっこシートをよく見ると、ストルバイト結晶のキラキラが見えるような気がした。やっぱり膀胱炎は治ってないのかな。。。

うんちは出ていない。そろそろ出てくれるといいんだけど。

 

“ころん”をする至福の時

 16:00頃、ようやくひよりがクローゼットから出てくる。

今日は心配になるくらいよく寝ていた。

少しヨロヨロと歩いているように見える。トイレかなと思ったが、まっすぐソファのところに。

私は急いでソファに座り、膝にさそったが乗ってくる気配はない。自力で飛び乗る力が無いのかな・・・?

ソファの下で横になるので、その場でブラシをした。ブラシは気持ちがいいようで、ひよりは”ころん”をしてお腹を見せてくれた。

どんどん痩せてきているのが分かる。「その時」が近づいているようで怖くなる。

ブラシの後は、私もひよりの隣に”ころん”をして、ひよりと一緒にゆっくりと時間を過ごした。

そばにひよりがいる大切な時間。この時間は残り少ないんだろうか。

砂時計の砂がどんどん落ちていくような感覚に襲われて、焦るような気持ちになる。 

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9/7 幸せなブラシの時間

 

先生に聞くこと

開腹手術から今日で1週間。先生から病理検査の結果はまだ来ない。

結果の連絡が来たら、先生に聞いておきたい事がある。今のうちに質問事項をまとめておこう。

①がんの種類が分かった上で、余命はどれくらいと考えればいいか。

②これからどういう症状が出るか。考えられる症状を全て知りたい。

吐血、下血、けいれん・・・など。

③痛みで辛そうな時、病院に連れて行かずに私が出来ることは何があるか。

でも、本当に知りたいのは『ひよりがこれからどういう経過をたどって、いつお別れが来るのか』・・・。でも、症状はそれぞれで先生に聞いてもはっきりした回答はもらえない事も理解している…。

 

かわいい出来事

23:00頃、ひよりがクローゼットから出てくる。嬉しくて思わず抱き上げてしまう。そのままソファへ。しばらくヒザでくつろいでくれる。

昨日よりずいぶん痩せたように見える。今日はウェットフードをしぼったスープを一口しか飲んでいない。

目の焦点も合っていないような気が・・・。

不安な気持ちがこみ上げてきたところで・・・夫が大きなオナラをした。

!!!

ビックリして ひよりと私が同時に顔を上げる。ひよりと私、同時にビックリしたこと、そして同時に顔をあげた事が 可笑しくて可愛くて …夫と笑ってしまう。

ひよりも一緒に微笑んでいるようで、空気が柔らかくなった。

ひよりはヒザを降りてソファテーブルの下に落ち着く。今夜はここで寝るんだね。

痩せた体を横たえて目を閉じるひよりに「おやすみ、また明日ね」と ちゅーをした。

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【後記】

開腹手術からこの日で7日がたちました。ちょうど1週間です。病理検査の結果はまだ出ていません。

「神様がくれた1週間」というタイトルが7回続きましたが、穏やかな1週間はこの日で終わりです。翌日からひよりは体調を一気に崩していきます。本当にタイトルの通り、1週間だけという期限付きで神様が用意してくれたかのような奇跡の1週間でした。

(’19.2.14)