こころの穴は ねこのかたち。

~愛猫ひよりの病気のはなし。そして・・・ひよりのいない”今”を綴っています。~

【番外編】誤飲のはなし②・・・先生が出会った患者さんのこと。

こんにちは。ちゃとらです。

読みやすくシュッとまとめることが出来ない このド素人ブログを、毎回読んでくださりありがとうございます。

今回も【番外編】として、前回の『誤飲』の話の続きをお送りします。

ひよりの主治医の先生が実際に診察された、誤飲患者のワンコさんのお話を2つ紹介しようと思います。

 

丸飲みしたものは・・・

まずは、サードオピニオンで受診されたワンコさんのお話。

嘔吐と食欲不振を訴えて来院された中型犬さん。先にかかりつけの病院を受診し血液検査やレントゲンなど、様々な検査を受けていました。ですが異常が見当たらず、吐き止めや胃薬を処方されて様子を見ていたそう。薬を飲ませても食欲不振と嘔吐は改善せず、セカンドオピニオンで別の病院も受診したそうです。でも、その病院でも吐き止めと胃薬を出されるのみ。

日に日に痩せていくワンコさんが心配で、ワラをもすがる思いで先生のところへやって来たといいます。

先生はすぐに誤飲の可能性を疑い、試験開腹を提案されました。飼い主さんも了承し、お腹を開けてみたところ、出てきたのは・・・

『トウモロコシの芯』

だったそうです。

胃の出口にトウモロコシの芯がスッポリ詰まって腸を塞いでいました。無事に芯を取り出して、ワンコさんは回復。

トウモロコシの芯などはレントゲンに映らないから、なかなか診断が難しいんだよ、とのことでした。(他にも糸やゴムなんかも映らないのだそう。)

トウモロコシはついつい芯ごと与えがちだけど、先生いわく「キケンだから絶対やめてね。ワンちゃんだけでなく猫ちゃんもね。」とのこと。私もひよりにトウモロコシを芯ごと与えた事があったので、大大大反省したのでした。

 

糸がもたらした悲劇

おしりから糸が出ていたワンコさんの話。

ある日、飼い主さんがふと気づくと、ワンコさんのおしりから糸が出ていたそう。

抜いてあげようと思い、つまんで引っ張ってみたところ ワンコさんが痛がるので、これは ひと思いに抜いてあげないと 逆にかわいそうだと飼い主さんは判断。もう一度 糸をつまんで今度は力いっぱい引っ張ったそうです。すると、ワンコさんは「ギャン!!」とひと声大きな声をあげてぐったりしてしまいました。慌てた飼い主さんは病院へと駆け込みます。

緊急で開腹手術が行われましたが、残念ながら すでにワンコさんは助けられない状態だったそうです。

ワンコさんの命を奪ったものの正体は『釣り糸』でした。お魚の匂いが付いていたのでしょうか。散歩中に釣り糸を食べてしまったらしいワンコさん。糸の端が歯に絡まり、もう一方の端がお尻から出ていたというのです。ずいぶん長い糸を飲んでしまっていたのですね。

糸は腸の中でピンと張った状態で、一部 腸と絡まりながら、おしりまで到達していたそうです。驚きですよね。それを力いっぱい引っ張ってしまったので、ピンと張った糸によって腸が破れ、命を落としてしまったのだそうです。

 

知らないってコワイこと

先生のお話は、ひよりの身に起こっていても不思議ではない話ばかりで、今まで知らずに過ごしていたことが怖くなりました。私だって ひよりのお尻から糸が出ていたら抜こうとすると思います。先程の、命を落としてしまったワンコさんの飼い主さんは、どんなに心を痛め、ご自身を責めただろうと思うと たまらない気持ちになります。

「もし お尻から糸が出ていたら絶対に抜こうとせず、1~2日様子を見てウンチと一緒に出て来るのを待ち、もし出て来なければ病院へ」が正解、とのこと。

誤飲トラブルは決して少なくないそうです。飼い主さんの心がけ次第で減らせる事故なので注意して見てあげてね。と先生はおっしゃっていました。

 

誤飲がこんなに怖いことだとは露知らず、ひよりにはトウモロコシも食べさせていたし、私の不注意で糸も飲みこんでいて・・・よく今まで何も事故が無かったなと、今更ですが...(;゚Д゚)); です。。。

↓よく見ると右手に何かオレンジ色のものを持ってますよね。飲みこまなくてヨカッタ・・・

f:id:chatorajirushi:20181119090239j:plain

許される時が来るならば、またいつか猫さんと暮らす日のために、先生から聞いたお話は全て頭に叩き込み、釣り糸で命を落としてしまったワンコさんのことも大切に大切に心にしまって、更に勉強を重ねていかなければ、と堅く心に誓うポンコツ飼い主なのです。

脱・ポンコツ

 

さて、控えめに脱ポンコツ宣言をしたところで、そろそろ今日のブログは終わろうと思います。今回もまあまあの長さになってしまいましたが...(^-^; ゴメンナサイ

ひよりの闘病記は まだまだ続きます。よろしければ拙い文章のこのブログ、お時間の許す限り 今後もお付き合いいただけると嬉しいです。

今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

【番外編】誤飲のはなし①・・・先生が教えてくれたこと。

いつもありがとうございます。

こんにちは。ちゃとらです。

私(人間)のニックネームが "ちゃとら" で、猫の名前が "ひより" という、ちょっと混乱してしまいそうなこのブログを いつも読んで下さりありがとうございます!

さて、今日はいつもの日記風のブログはお休みして【番外編】としてお送りしたいと思います。

私は ひよりが病気になってから、ひより抜きで しょっちゅう病院へ行っていました。そこで先生にお聞きするお話はとても参考になる事が多く、たくさん勉強させていただくとともに、自分の無知さ加減も思い知らされました。

猫さんの病気に腎不全が多いことも、皮下輸液がどんなものかということも、”強制給餌” という言葉も、猫さんにも ”胃ろう” があることも・・・ひよりが病気になるまでは何も知らずに過ごしていたのです。とんでもなく”意識低い系”の飼い主でした。

その中でも『誤飲』については(私の無知もあり)とても衝撃を受けるものでした。私自身のための備忘録としても、先生にお聞きしたお話をここに残しておきたいと思います。よろしければお付き合い下さい。

 

 誤飲を疑う時

8/25の通院の際に、ひよりの吐き気について相談したところ、先生は誤飲の可能性について話してくれました。

ひよりの場合、セレニア(吐き止め薬)を飲んでも 吐き気のサインである 口の”くちゃくちゃ”が始まってしまうことも多く、私はとても心配していました。先生にそれを相談すると、セレニアを飲ませても嘔吐してしまう場合は「腸に何かが詰まっていて、物理的に食べたものが戻ってきてしまう事が考えられる」と教えて下さいました。食欲はあるのに食べると戻してしまう、水を飲んだだけでも戻してしまうなどの場合は、何か異物を誤って飲み込んでいて(または毛玉が詰まっていることも。これは毛球症といい、今回の誤飲とはまた別のお話)それが腸に詰まっている可能性が高いとか。

ひよりは、子猫の頃から親指くらいの大きさの小さなネズミのおもちゃが大好きで、散々遊んだ後でそれを食べようとすることがあったので、誤飲の可能性はおおいに考えられる事でした。

 ↓ひよりの大好きなネズミのおもちゃ。誤って飲み込んでしまうとコワイことになります。。。

f:id:chatorajirushi:20181116120004j:plain

 身近に起こる怖い誤飲

 猫さんだと、おもちゃの誤飲、そして糸(ひも)の誤飲がとても多いそうです。

◆おもちゃの誤飲

一般的に売られているおもちゃは、本物の鳥の羽が付いていたり、本物の毛皮で作られていたり、猫さんの狩猟本能を駆り立てるものが多いですよね。猫さんは狩りをする体(テイ)で一心不乱に遊ぶのですが、ひとしきり遊んだ後に捕獲した獲物(おもちゃ)を食べようとすることも多く、この時に丸飲みしてしまうことがあるのだそう。

丸飲みしたおもちゃは胃酸で消化できないので、未消化のまま腸に移動しようとして腸の入口を塞いでしまいます。(または腸の途中でひっかかってしまうことも。)こうなると その後何を食べても食べ物は腸に流れていくことができず、”食べては吐く”を繰り返すことになります。

このお話をうかがった後に猫用おもちゃ売り場へ行ってみると、なんと危険な物が多いことか!おもちゃで遊んでいる時はもちろん、遊んだ後も無くなっているおもちゃが無いかどうか きちんと注意して管理しないとコワイですね。

 

◆糸(ひも)の誤飲

糸(ひも)状の物の誤飲は おもちゃの誤飲に比べて更に怖いそうです!

猫さんは何かを見つけると ふんふんして臭いを確かめた後に、ペロッと舐めることがありますよね。ひよりも よく糸くずやホコリをペロッと舐めることがありました。糸は飲んでしまってもウンチと一緒に出てきそうなので、私はあまり心配していなかったのですが・・・

何年か前、ひよりが口を気にしているので見てみると 糸を食べていて、引っ張ってみたら ズルズルと結構な長さの糸が出てきたことがありました。

実はこれ、かなりコワイことだったんですね!(無知...)

糸などはペロッと舐めた時に口に入り、猫さんはペッペッと出すことが出来ないので 仕方なく飲み込むことになります。そのままウンチとして出てくれる場合はいいのですが、そうでない場合、糸は曲がりくねった腸に絡まります(先生は「腸に刺さる」と表現していました)。腸に刺さった糸は自然に抜けることは ほとんど無く、手術で取り除かなければなりません。

腸に糸が刺さると、腸は異物(糸)をなんとか排出しようとして蠕動運動を活発に繰り返すうち、どんどん糸を絡めていってしまいます。ちょうど巾着袋の口をキュッと閉めた時のように縮こまってしまうのだそうです(先生はアコーディオン状と言ってたかな?)。糸は自然には取れないので放っておけば腸が壊死して死に至ります。手術で取り出すにしても、縮こまった腸は元に戻ることは無いので、縮こまった部分は全て取り除くしかありません。縮んでいる分かなりの長さの腸を切除しなければならず、手術もとても難しく命にもかかわるそうです。

ひよりの口からズルズルと糸を引っ張り出した時の事を思い出して、お話を聞きながら全身がゾワゾワーッとしてしまいました。。。

 この季節、編み物をされる方も多いですよね。そして猫さんは毛糸で遊びがち。しっかり管理しないと怖いんだな・・・ということを今更ですがようやく学んだポンコツ飼い主。ホント安定のポンコツぶりです。

 

少し長くなってしまいました。。。いつも長いブログにお付き合いいただきありがとうございます。続いてのお話は・・・と続けたいところですが、そろそろ読み疲れていらっしゃるかと思いますので、つづきは次回にしたいと思います。

次回の【番外編】は、実際に先生が診察されたワンコさんの誤飲のお話です。

次は短めに まとめます。必ず、きっと、たぶん…

最後までお読みいただきありがとうございました!

(’18.11.17)

「チューブをいれようか」  ・・・’18.8.25のこと。

 前回↓の続きです。ようやく強制給餌を受け入れ、これから頑張ろうと決意したところです。

chatorajirushi.hatenablog.com 

 悪夢がよみがえる

昨日は強制給餌で少し食べてくれたので、今日から少しづつ量を増やせればいい。

ひよりは朝からクローゼットの中で横になっている。一緒に起床しようと声をかけたが、具合が悪そうに口を "くちゃくちゃ"。

よく見るとヨダレを垂らしている(!)。このところ毎日吐き止め薬(セレニア)を夫と二人で協力して飲ませているし、吐き気はありそうでも 嘔吐まではしない日が続いて安心していたけれど、ヨダレを垂らしているということは かなり吐き気がある?!私は、いつか見たあの悪夢を思い出して心がザワついた。

 ↓いつか見た悪夢の話です。

chatorajirushi.hatenablog.com

 ヨダレを拭いてあげるとひよりは顔をそむけて嫌がる。触ってほしくないんだね。そっとしておくしかない。

今日は薬をもらいに病院に行く予定。今日のヨダレのことなど質問事項をまとめて、ひよりを留守番させて病院に向かった。

  

先生の見解

質問事項は以下の①~⑤を用意し、先生から回答をもらった。

①セレニア(吐き止め薬)とファモチジン(胃酸止め薬)は長期間飲んでいるけど大丈夫?

<回答>出来ればセレニアは1日休んだ方がいい。今日吐き気があるなら飲ませていいけど、明日良くなっていたら休んでみよう。

②セレニアを飲んでも、口を”くちゃくちゃ”させている時がある。今日はヨダレを垂らしていた。セレニアは吐き気も止めるの?それとも止めるのは嘔吐だけ?

<回答>口の "くちゃくちゃ" やヨダレがあるということは、吐き気までは止められていない可能性があるね。本人(ひより)は、吐くまではいかないけど気持ち悪いなーと思ってるかも。完全に吐き気も止めたければセレニアを今の倍量 飲ませることになるけど、倍量だと連続して飲ませることができないんだよ。(例えば乗り物酔いを予防するために1回だけ飲ませるとか、そういう使い方しかできない。)

そうか・・・吐き気も止めてあげたいなぁ。

③膀胱炎のためのサプリメントは飲んでもいい?

<回答>サプリメントは飲んでいいよ。

④昨日強制給餌をやってみた。でも今日みたいに吐き気がある時はできない。どうしよう?

<回答>チューブをいれようか。そろそろ検討してみたら?

 

なるほど、セレニアは吐き気までは止めていない可能性があることも、1日休んだ方がいいこともよくわかった。サプリメントも買って飲ませてみよう。

でも・・・ひとつだけ、なんだか ゾワッとする回答があった。

「チューブ???」

何の事やら分からず、オウム返しで先生に聞き返すと、

「胃にチューブを通して、そのチューブからご飯を流し込んであげる方法だよ。”胃ろう”とか”食道ろう”とか聞いたことない?」

と、すごーく普通のことのように教えてくれた。

 

胃に穴を開ける?

い、いや、先生は平然と言うけれど、ひよりのお腹に穴をあけるってこと???

え?えー??えーー???そんなこと出来ないよ!?

お腹に穴って?手術をするの?傷口はどんなことになってるの?ひよりは痛くないの?ひよりは動けるの?ひよりは辛くないの?チューブから胃に直接ご飯を入れるの?口からはもう食べられないの?

いやいやいや・・・出来ないでしょーーー!

動揺が止まらない。

パニックで色んな事が頭をぐるぐる回り始めて言葉にならず、結局 何も質問できないまま、上の空で挨拶して病院を出てきてしまった。

帰り道、自転車をこぎながら、ひよりのお腹に穴を開けるくらいなら強制給餌を頑張ろう、と心に決めた。

 

戻ってくると、さっきより体調が良さそうなひよりがいる。良かった。

ひよりを見て、強制給餌を頑張ろうと再び決意する。でも今日はひよりの体調が不安でできそうにない。体調がいい日ばかりじゃないからなぁ・・・。

f:id:chatorajirushi:20181115094259j:plain

****************************

【後記】

この日、先生から「胃ろう」をすすめられ、まだ全く現実として受け止められていない私は、自分の中で「胃ろう」を完全否定します。強制給餌もようやく受け入れつつある状態だったのに、新たな「胃ろう」モンダイは私にとっては話が大きすぎるように感じていました。

また上記の質問以外に、先日(8/20)受けた血液検査の結果が出ているかどうかも この日 先生にたずねています。まだ出ていないという回答だったのですが、その流れで軽く「今までの診察で考えられる大きな病気って何ですか?」と質問してみました。血液検査の結果が出る前に、膀胱炎以外の大きな病気の覚悟もしておきたかったんだと思います。先生の回答は「腎不全か がんですね。」でした。そう言われても私はまだ がん の可能性を考えていませんでした。「まさか、ウチの子は がんにはならない」そんな無意識の思い込みがあったのです。

('18.11.15)

<通院の覚え書き>

8/25 (飼い主のみ来院)

   セレニア(吐き止め薬)8日分 ¥1,800-

   ファモチジン(胃酸止め薬)8日分 ¥200-

 

 

強制給餌 ・・・'18.8.24のこと。

 久しぶりのゴロゴロ

 

床してリビングに出てみると、ひよりは箱座りでじっとしていた。

「おはよう」と声をかけると、こちらを見て目を細める。昨日よりは悪くなさそうな表情に見える。

体調を確かめたくてブラシに誘ってみる。

ブラシをしてあげると、うっすら喉をゴロゴロ・・・。久しぶりに喉の音を聞いた。力強いゴロゴロではないけれど、耳を近づけると「グツグツグツグツ・・・」とかすかに聞こえる。この音、安心する・・・。

食欲はどうか。

食べ物を近づけると、顔をそむけて逃げるようにクローゼットへ引っ込んでしまう。食べたい気持ちは皆無。ただ、吐き気のサイン"くちゃくちゃ"が無いのが救い。

夫が出勤して掃除機がけが終わると、ひよりがクローゼットから出てきてリビングで横になる。今日は私と一緒にいてくれるの?嬉しい・・・(泣)

ひよりが くつろいでいると嬉しくて、体から力が抜けていくのが分かる。

昨日はこれまでで一番悪いかも知れないと不安になったのに、今日は落ち着いている・・・。本当にひよりの体調はくるくる変わる。f:id:chatorajirushi:20181110092543j:plain

 

”ネギとろ”を試す

吐き気は無いようなので今日は何か食べて欲しい。

8/22に病院に行った時、先生が教えてくれた方法を試してみようかと考える。先生は、”ネギ抜きのネギとろ”がいいよ、と教えてくれた。お魚だしカロリーもあるし、ひよりちゃんがお刺身好きなら食べさせてみて、と。

ネギとろを指にとって上あごに塗り付ければ、猫はペッペッと出すことが出来ないので、もぐもぐゴックンと飲んでくれるそうだ。

これが巷でいう「強制給餌」というもの?「強制給餌」はネットで調べて知ってはいたけれど、名前もイカツイし あまりやりたくないなぁ というのが正直なところ。

でも今はそんなこと言ってられないか。ひよりは特にお刺身好きではないけど、カロリーも栄養もあるなら試してみよう。

スーパーの開店と同時に入店し、ネギとろ(ネギ抜き)を購入。室温に戻した後、先生の言うように指に取り ひよりの上あごに塗り付けてみる。

ほら、ネギとろ おいしいでしょ?ゴックンしてね。

願い空しく・・・というか予想通り、ひよりはブンブン首を横に振り、口の中のネギとろは飛んで行ってしまった。

うーん・・・そんなにうまくいかないよね。それに、ネギとろは好きじゃないみたい。ネギとろで吐き気を誘発してしまうかと心配で見守ったが、今日は吐き気はやって来なかった。

そして、残りのネギとろは夫の夕ご飯となった。

 

療法食ペースト

どうせ何を食べさせても嫌がるなら、次は療法食をペースト状にして試してみよう。

もっと口の奥の方に塗り付けてあげれば、もしかしたら飲み込んでくれるかも知れない。この方法でうまくいけば療法食が食べられて、長かった膀胱炎の苦しみからも解放される。私は、気の進まなかった強制給餌の方法を、ネットでたくさん調べて準備をし、覚悟を決めた。ひより、頑張ろうね。 

早速ひより用のすり鉢を購入。小さめのすり鉢にロイヤルカナンの療法食コントロール0 カリカリを入れてすりつぶす。カリカリはけっこう硬くて、小さいすり鉢では すりつぶすのは なかなか大変だった。

ぬるま湯を入れてペースト状にする。指に付くくらいの軟らかさになるまでよく練り、療法食ペーストが出来上がった。

 

お昼頃、療法食ペーストを試す。ひよりは気配を感じ取り、逃げる気満々だったが、クローゼットに逃げ込んだところであっけなくつかまる。そのままクローゼットの中で強制給餌を試みた。クローゼットの中は狭いので、ひよりは逃げようがなく仕方なく療法食ペーストを食べることとなった。

嫌がって顔をそむけてイヤイヤをし、口からこぼれる量も多かったが、少しは飲みこんでくれた様子。イヤイヤをするひよりを押さえつけて食べさせるのは、泣きたいくらい心が痛んだ。だけど、ひよりが元気になるなら嫌われたっていい。ここは心を鬼にして頑張らなければ。

飲みこんだのは、カリカリにしたら1~2粒分に過ぎないのかもしれない。1回に食べられる量が少ないなら、1日何回かに分けて少しずつ食べさせてみよう。

食べさせても吐き気が襲ってくる様子もなく、今日は比較的落ち着いている。この調子で強制給餌を続けていけば、体力も付いて自分から食べられるようになるかも知れない。

少し望みが出てきて頑張る気持ちになる。ひより、一緒に頑張ろうね。

****************************

【後記】

「強制給餌」・・・好きになれない言葉だったりします。。。もちろんゴハンを食べられない猫さん(や、犬さん達)がきちんと栄養を摂るために大切な事だし、強制給餌で元気になったコはたくさんいるのも知っています。その行為そのものは悪い事ではないのは分かるけど、でも、この4文字熟語みたいなイカツイ名前、苦手です。

私にとって この日のネギとろから始まった「強制給餌」は、苦い後悔のひとつとなっています。あの時のイヤイヤをするひよりの姿が今でも頭から離れず、とてもとても苦しいのです。

('18.11.11)

 

 

繰り返す不調 ・・・'18.8.23のこと。

コロコロ変わる体調

ひよりは朝までリビングで過ごしたようだ。くつろいでいる様子はなし。

そうだ、ゆうべトイレの音がしたんだ。たくさんおしっこ出ているかな~?いそいそとトイレチェック。

あれ・・・、あまり出ていない。トイレシートに直径6cmくらいのシミ。皮下輸液をしたのに、水分をたくさん吸収できたはずなのに これしか出ないの??不安が広がる。

ひよりはゆうべにも増して具合が悪そう。移動してはうずくまり、また移動してはうずくまる・・・。

少しずつ移動して押し入れへ。押し入れの上の段、タンスと壁の15cmくらいの隙間が、ひよりの一番落ち着ける場所だ。押し入れに入るのは、不安な時、具合が悪い時、とにかく放っておいて欲しい時。心配だけど自分から出てくるまで声をかけずそっとしておくことにする。

昨日は、カニカマを食べてくれてあれほど喜んだのに、今日はこんなに具合が悪い。ジェットコースターのようにくるくる変わる体調、どういうことなんだろう。

 

ゆうべ夜中に眠れずに考えた。ひよりは何か食べた後は必ず具合が悪くなる。カニカマの後もそう。ずっと食べていなかったから胃が慣れていないのか、これも膀胱炎の症状なのか、それともほかに別の原因があるのか・・・。

 

トイレでうずくまる

お昼頃、ひよりが押し入れから降りる音が。

元気になったことを期待して様子を見てみるが、やはり具合が悪そう。口を "くちゃくちゃ" させている。吐き気があるんだ・・・。

昨日、皮下輸液に吐き止めを入れてもらったはず。効いていないんだろうか・・・。

 

しばらくソファテーブルの下で転がっていたひよりだったが、のろのろと起きだしてトイレへ行くようだ。低い姿勢でやっとの思いでトイレへ。トイレに入って用を足したようだが出てくる気配が無い。心配で見に行くとトイレでうずくまっていた。

ビックリして「ひよちゃん?!」と声をかけるも反応は無く、うずくまったまま・・・。不安で泣きそうになりながらも しばらく見守ることに。おしっこシートには10cmほどのシミができていた。夜中の尿量より多けど、もっと出てもよさそうな気がする。

 

やっとトイレから出てきたひよりは、「おーん」と鳴きながら30cmくらい移動。またうずくまり「おーん」と鳴いて30cmくらい移動・・・を繰り返す。

水分をたくさん摂ったのに思うように尿が出なくて辛いのかな・・・?私は膀胱炎になった事が無いけれど、人から聞いた話では『なんとも言えない気持ち悪い痛み』だそう。ひよりがこんなことになるなら私も一度くらい膀胱炎になっておくんだった。ひより、痛いね・・ツライね・・・。

なんとかしてあげたい。抱っこして撫でてあげたい。・・・だけど、今は離れてそっとしておく事がひよりの一番望む事だと分かってる。見守るしかできない。無力な私。

少しずつ移動して やっとソファテーブルの下にたどり着いても 横になるのは束の間で、またトイレをもよおして起き上がる。30cmずつ移動して うずくまり、口をくちゃくちゃさせる。それを繰り返しながら やっとトイレにたどり着く。

トイレに行くのもツライね。何もしてあげられなくてごめん。せめて吐き気をなんとかしたいね。

今までで今日が一番悪いかも知れない。

薬を飲ませようか・・・。

でもセレニア(吐き止め薬)をひとりで上手に飲ませる自信が無い。一人で薬を飲ませようとして、ひよりに余計な体力を使わせることが怖い。やっぱり夫の帰りを待って一緒に飲ませることにしよう。

f:id:chatorajirushi:20181105152926j:plain

 

落ち着きを取り戻す

夫が帰宅した頃にはひよりは落ち着いてよく眠っていた。起こすのがかわいそうで、吐き止めの薬は後で飲ませることにした。

 

22:00頃までゆっくり眠ったひより。かわいそうだけど、そろそろ起こして薬を飲ませることに。夫と二人でセレニア(吐き止め薬)を飲ませる。たくさん残っていた胃酸止めも念のため飲ませた。どちらもうまく飲んでくれた。

薬を飲んだ後もひよりは私たちを避けている。一人になりたいんだね。

寂しいけど朝までそっとしておこう。今日もひよりのいないベッドで就寝。悪いことばかりが頭に浮かんで、ウトウトしては目を覚ますことを朝まで繰り返していた。

****************************

【後記】

前の日に行った皮下輸液の期待が大きかっただけに、この日の体調不良は本当にショックでした。カニカマを食べてくれたのは、テレパシーを送ってくれた”とらちゃん”の顔を立てただけだったのでしょうか。体調が悪くなってしまったので、とらちゃんにテレパシーのお礼を言うのを忘れてしまいました。これを書いている今もまだ言えていません。

この日(8/23)の日記に、『ひよりは何か食べた後は必ず具合が悪くなる。カニカマの後もそう。ずっと食べていなかったから胃が慣れていないのか、これも膀胱炎の症状なのか、それともほかに別の原因があるのか・・・。』とあるように、この頃から膀胱炎以外の病気の不安がチラつきはじめます。その不安を打ち消したくて、私はこの後、膀胱炎の療法食を食べさせることに躍起になっていきます。

('18.10.8)

皮下輸液とテレパシー ・・・'18.8.22のこと。その②

ようやくぐっすり眠れる

病院で、前回同様カッチカチに緊張して皮下輸液を受けたひよりは、家に帰るとしばらく(これまた前回同様)興奮状態で歩き回っていたが、しばらくすると疲れたのかリビングのソファテーブルの下でぐっすり眠った。

ペリアクチンの薬の成分も体から抜けつつあるのか、徘徊はおさまってぐっすり眠っているのが嬉しい。そっとしておこうとソファに腰かけて見守る。

すると、突然起き上がり私のヒザへ来てくれた。久しぶりの正気のひよりという感じ。甘えてくれてモーレツに嬉しい。ひよりがゆっくり出来るようにじっとしていよう。ゆうべ眠れなかった分たくさん眠るといい。

輸液は脇の下あたりにタプタプしたまま、それより下に降りてくることはなく 順調に体に吸収されているようだった。ちゃんと吸収して、一緒に入れてもらった薬も効いてくれるといいな。

 

テレパシーが通じた!?

しばらくゆっくり眠っていたひより。目を覚ましてヒザから降りたタイミングで何か食べ物を。

チーズとカニカマ(人間用)をお皿に入れて、ひよりの前に並べて様子を見ると、カニカマが気になっている様子。カニカマを ふんふんしてお皿の前に箱座りをして眺めている。

しばらくじーっとカニカマを眺めていたが、おもむろに立ち上がって伸びをした後・・・

たっ、食べたっ!カニカマ!

良かった、嬉しい!!食べた量はほんのちょっとだけど、固形物を口にしてくれたのは本当に久しぶりで、もうこれから回復の一途をたどる気がして浮かれてしまう。ひよりが驚かないように小さな声で「よしっ!」(←ガッツポーズ付き)。

実家の”とらちゃん”がテレパシーを届けてくれたのかな。

うん、テレパシーと皮下輸液のおかげだ。後でとらちゃんにお礼を言わなくちゃ。 

 めずらしくキャットタワーにも上った。うれしくて一緒に外を眺めた。外に興味を示すなんて久しぶり!ホッとできる時間。こういう安心できる時間が欲しかったんだ。

「とらちゃんからのテレパシー受け取ったよ」

f:id:chatorajirushi:20181105164612j:plain

 

安心は続かない

だが、ひよりはその後のろのろと寝室へ移動し、私のベッドの上で箱座り。あまりくつろいでいる感じがなくて心配になる。キャットタワーに上ったりして疲れたのかな。ゆっくり眠って 休んでもらいたいので そっとしておく。

24:30頃、就寝のため私も寝室へ行くと、ひよりはベッドを降りて床の上に転がっていた。窓の近くの床の上は空気がひんやりしている。ひよりは具合が悪い時 よくその場所に寝転がる。 カニカマを食べられたとはいえ、右肩上がりに体調が良くなるわけではないだろうけど、急な変化は心にこたえる。

「ひよちゃんどうしたの?」と声をかけると、ゆっくり起き上がってダルそうにリビングへ行ってしまう。そっとしておいて欲しいんだ・・・。

私はひよりの気持ちを汲んで 後をついていくのをやめ、心配しながら眠りについた。

ウトウトしていると、ひよりがトイレに入っている気配。皮下輸液の効果で、たくさんおしっこが出るといいな。出来れば夜中のうちにまた何か食べて欲しい。あらゆるところに、カリカリやウェットフード、カニカマやおかかなどを置いておいた・・・食べられるもの何でもいいから食べて欲しい。

よくなるといいね、ひより。 

 *********************************************

  【後記】

 実家の ”とらちゃん” は7歳♀のキジトラ猫です。”とらじ”と命名した後に女の子であることが判明しました。でも改名はせず、”とらちゃん”と呼ばれています。

とらちゃんとひよりのテレパシーは、私が困った時に使う最後の手段で、これまでも何度かお願いしてきました。もしかしたら猫たちは人間には使えない通信手段を持っているかもしれないし、人間が話して聞かせるよりも同じ猫同士の方が話が早いかも と思い、ひよりに伝えたいことがある時は とらちゃん経由で伝えてもらうことにしていました。通じているのかどうか分かりませんが・・・。

気休めかもしれないけど、ひよりがカニカマを食べてくれた時には 本当にとらちゃんに感謝しました。あ、もちろん、皮下輸液をして下さった先生にも。

('18.11.6)

 

<通院の覚え書き>

8/22 体重 3.5kg

   再診 ¥500-

   リンゲル液250ml/s.c(輸液)¥1,000-

   Metoclopramide/s.c(吐き止め) ¥1,000-

   ガスター/s.c(胃酸止め) ¥1,000-

そしてまた病院へ ・・・’18.8.22のこと。その①

前回のつづきです↓

chatorajirushi.hatenablog.com

 

薬は効かず絶食は続く

期待していた食欲の出る薬”ペリアクチン”を飲んでから、ひよりは食欲が出るどころか何も食べずに 夜の間ずっとウロウロと鳴きながら徘徊を続けた。 

何も食べていないのに 歩きまわって体力を消耗してしまって、もう心配で心配で泣けてくる。

結局 今日で絶食6日目。 

ペリアクチンもダメだし もう最後の手段。他県にいる実家の猫 "とらちゃん" にテレパシーを送ってもらうことにした。実家の姉に連絡し、ひよりが膀胱炎になったこと、ごはんを食べないと治らないのに食欲がないこと を話して、とらちゃん経由でひよりに「ちゃんと食べなきゃダメだよ」って言ってもらうことにした。

 

そしてまた先生に相談

徘徊のことも含めて、電話で以下①②を先生に相談することに。

①ペリアクチンを飲んでから様子がおかしい。鳴きながら歩き回って落ち着かない。どうしよう?

<回答>様子がおかしいならペリアクチンを飲むのはやめよう。ひよりちゃんには効かなかったんだね。  

 

②今日で絶食6日目。餓死しない?来院すれば絶食状態を改善する処置(点滴など)は受けられる?

 <回答>6日くらいでは餓死しないよ。おとといの診察では3.8kgあったし、脱水症状も無かったし大丈夫。猫は治療のために1か月絶食させることだってあるくらいだから心配しないで。ただ、残念ながら病院で絶食状態を改善するのは無理。患者さんはみんな勘違いするけど、点滴=食事(栄養)ではない。一般的に行われる点滴とは皮下輸液のこと。皮下輸液は水分補給が主な目的で、栄養を入れることは不可能(皮下輸液でカロリーのあるものを入れたら皮膚が壊死してしまう)。だから、食べないから点滴しよう、という考えは根本的に間違っている。ちなみに、ビタミン類を入れることはあるけど、カロリーが含まれているわけではないので、食事をした事にはならない(点滴をしたから これでしばらく食べなくてもOKという事では全くない)。だから、口から食べてもらうように頑張ろう。

 

そうか・・・。

私はイザとなったら点滴してもらおう、と思っていた。でもこの考えは間違っていたんだ。もし、1日分のカロリーを点滴で入れようと思ったら、皮下輸液ではなく腕の血管に管を入れて何時間もかけて入れることになるそうだ。気軽にできることではないんだ・・・。どこまでも無知な私・・・。

f:id:chatorajirushi:20181102193029j:plain

 

皮下輸液を受ける

先生曰く、栄養は入れられないけど、皮下輸液をすると活力が出てきて食欲が出る猫さんもいる とのこと。一縷の望みにかけてみることにして、午後の診察が始まったら病院へ行くことにした。

夫も早めに帰宅してくれて、18:00頃 夫の運転する車で病院へ。ひよりはキャリーに入ることを抵抗はしたが、もう脱走する力もなくガルガル言いながらもキャリーに入ってくれた。日に日に力が弱くなっていて涙が出る。

先生はすでに輸液の準備をして待っていて下さった。吐き止めと胃酸止めの薬も一緒に輸液バッグに入れておいてくれて、「今日は薬は飲ませなくてもいいよ」と言ってくれた。(助かります・・・)

ひよりの背中の肩甲骨の間あたりに針を刺し、皮膚と筋肉の間に輸液を入れてラクダのようなコブを作る。それが時間をかけて体内に吸収されていくのだそう。尿もたくさん出るというから膀胱炎にもいいはず。

輸液は10分ほどで終わり、ひよりの右わきの下あたりに輸液の入ったタプタプが出来た。のこタプタプは重力とともに下に降りていき、足まで行くことがあるけど心配しなくていいそうだ。

(その②につづく)

************************************************

【後記】

私は、点滴=食事(栄養)ではないということを この時初めて理解しました。 "皮下輸液" という言葉も初めて聞きました。動物の医療について 本当に何も知らないことを思い知り、何から何まで学ぶことだらけでした。

そして・・・

今日(11/4)ひよりが旅立って49日目を迎えました。極楽浄土へ旅立つ日ですかね。更に遠い世界へ行ってしまったのかな思うと・・・なんだか寂しい気がするのはおかしいのでしょうか。

もう生まれ変わる準備は出来ているのかな。早く生まれ変わって私のところへ戻ってきてほしいと思う気持ちと、いやまだ私にその資格はない、という気持ちと・・・。

私の資格モンダイはさておき、今ひよりがいる場所が、何の苦痛も不安もない穏やかな場所であってほしい。そして何よりも ひよりの来世がこの上なく幸せなものでありますように。 

(’18.11.4)